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自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

クロアゲハ幼虫,4齢から5齢へ

2013-09-24 | クロアゲハ

クロアゲハの4齢幼虫が葉でじっとしていました。それが一日近くなのです。「ははーん,これは脱皮するな」と直感。葉ごと家の中に持ち込んで,カメラをセットして待ちました。

間もなく脱皮するに違いないことはわかるのですが,いつそれが始まるのやらちっとも予想がたちません。それで,まあいいやと思ってそのままにして,ときどき様子を見ることにしました。 

しばらく時間が経ってから確認しました。 すると,すでに脱皮を終えていました。そして,じっとしたままでした。口の周辺や脚の色合いがいかにも脱皮間もないことを物語っていました。

自分がまとっていた皮を食べるのはいつ頃か,気になってきました。食べ始めたのは,ずいぶん時間が経ってからでした。向きを変えて,「食べるぞ!」という構えになりました。 

食べかけると,大した勢いで口にしているように思えました。動きが速いのです。 

どんどん食べて,とうとう食べ尽くしました。皮をも無駄にしない食性に,頭が下がります。  

そのあと,また元の向きになって,しばらく休んでいました。 

これで終齢幼虫に脱皮しました。さいごの幼虫期は食欲が旺盛で,もりもり食べます。それにともなって,大きさがぐんぐん大きくなります。これが蛹になるときも見たいですね。変化はとにかく,刺激的です。

いつか脱皮最中のすがたをばっちり撮りたいと願っています。しかし,脱皮直前の特徴ある兆候がまだ見えないままです。まだまだ夢でしょう。 

 


クロアゲハとアオムシコバチ

2013-09-22 | クロアゲハ

レモンの葉にクロアゲハの幼虫がかなりいます。たぶんこれが今秋最後の幼虫で,越冬蛹になるのではと思います。

そのうちの終齢幼虫の一つに,小さな小さなハチが付いているのに気づきました。尾脚のすぐ上の辺りです。手でそっと触れても逃げません。メガネをかけて観察すると,どうやらアオムシコバチのようです。かたちがそっくりなのです。

アオムシコバチはアゲハ幼虫の天敵で,体内に卵を産み付けて成長します。そうなると,幼虫は羽化に至りません。これまでに,わたしは何度かそのために羽化しなかった蛹に出合ってきました。すこしはこのブログでもご紹介しました。

さて,生体にこの寄生バチが付いているのは明らかに産卵するためでしょう。産卵を確認することはできませんでした。あとで,穴でも開いていないか確認だけはしておこうと思っています。

こうして生のアゲハの幼虫にハチが付いているのを見るのは初めてです。それで,きちんと写真記録に残すことにしました。

幼虫のからだと比べると,歴然とした差があることがわかります。ふつうだと,ハチの存在にすら気づかないのではないでしょうか。

すこし近づいて撮りました。写真の左右幅は1cmなので,体長は計算上2.8mmになります。

今度は,幼虫の肛門方向から,ハチの側面を写しました。

ハチに幼虫が付いて執着心をもっています。離れようとしません。やはり,産卵する(した)と見做すのが筋かと思われます。j時間が経過してから再び見ると,ハチは二匹に増えていました。

保護色で身の安全を守ろうとする幼虫の,さらに上手をゆくのがアオムシコバチ。一面緑色の世界で,緑をまとった幼虫をちゃんと見当てる力をもっています。大した力です。ハチも子孫を残すことに全力を尽くしているとしかいいようがありません。

幼虫の今後に注意しておくことにします。

 


クロアゲハ,羽化!

2013-09-11 | クロアゲハ

クロアゲハの幼虫を飼育箱に入れ飼っていたところ,蛹化でうまくいかなかった個体が一つあります。うまくいかなかったとは,蛹になったのが箱の底だったので,からだの重みが関係して底面との接触面が平らに近くなったのです。

「これでふつうどおりうまく羽化するのだろうか」と心配になりました。

そのまま置いておくと,日が経つにつれ羽化が近づく様相を見えてきました。緑色型蛹がどんどん写真のように変色してきたのです。

「これは羽化が近いぞ」と期待が膨らんできました。一方では,完全な成虫が誕生するのだろうかと不安もありました。期待と不安を抱いて,この個体を植木鉢の土の上に置きました。そのままで,羽化を待ちました。

 

わたしが羽化後の成虫を見たのは,間もなくでした。惜しくも,出てくる瞬間は見逃しました。見たときは,傍に立てた枯れ木にのぼって,翅を伸ばしていました。なんと優雅な翅の色合いか! そう感じました。

 

個体は口吻をしきりに伸ばしてウォーミングアップをしていました。それも,ゆっくりゆっくりと。「わたしを見てください」といわんばかりの,ゆったりとした動きでした。

それで,もっと近づいて写しました。口吻の二重構造がこの個体からもみごとに確認できます。観察を重ねていると,未知が解き明かせて合点がゆくことがあるものです。クロアゲハでも,口吻の根元まで二重構造になっています。

 

さて,この個体のことなのですが,やはり蛹化が順調に行われなかったため,翅が左右で歪(いびつ)になりました。舞い上がる力が生み出せないままに終わりました。かわいそうなことをしました。 

 


クロアゲハ,幼虫から蛹へ(3)

2013-09-05 | クロアゲハ

表皮の皺が一気に目立ってきて,いよいよ脱皮直前です。腹脚があった部分が後方に送られているのがよくわかります。 

背が裂けて,胸脚部分が送られ始めました。

からだの前半分が現れました。 

脱いだ皮が帯糸を過ぎていきます。 

ほぼ全身が現れました。なんと微妙な,複雑な色合いなのでしょう。 

からだをクネクネさせて,皮を落とそうとしました。そのとおり,皮はスウーッと落ちていきました。 

ここまで,変態は順序よく滞りなく推移しました。この個体は褐色型の蛹になりました。時期からいえば,9月にはこれが羽化することが期待できます。結果はどうでしょうか。

 


クロアゲハ,幼虫から蛹へ(2)

2013-09-04 | クロアゲハ

帯糸を付け終わると,安心したようにからだを休めました。そして間もなく腹脚が着地面から離れ始めました。

時間が経つと,腹脚がはっきり離れ,からだが大きく湾曲してきました。前蛹の姿そのものです。 

一日近く経過して, 脱皮への準備が進んでいることがはっきり見えてきました。褐色を基調にした色合いに変化。表皮に小さな皺がいくつもでき,蛹と皮との間に空気が入っていっていることがわかります。「これは,脱皮間近だー!」と,誰にだってわかるような変貌ぶりです。

こういうときは動画で記録できればサイコーなのですが,わたしの腕ではそこまでは望めません。  

 


クロアゲハ,幼虫から蛹へ(1)

2013-09-03 | クロアゲハ

クロアゲハが羽化しないままに終わり,しばらくしたある日。家のスダチの徒長枝に,クロアゲハの幼虫がいるのを見かけました。徒長した枝の葉は柔らかいので,小さな幼虫にはもってこいの餌になります。

その幼虫を葉に付けたまま,コップに挿していました。そのうちに順調に成長し,5齢虫期を迎えました。そろそろ前蛹になるかなと思い,そこから姿が見えなくならないように置いておいたら,篠竹で前蛹準備に入りました。

頭を下に向けて,絹糸を出しました。 

それが終わると,からだを反転させ尾端をしっかり取り付けました。  

そうして,上半身を大きく反らしながら帯糸を紡ぎました。

姿勢を安定させて作業を進めるのに,腹脚がずいぶん役立っていることが窺えます。 

ここまでの推移はいつものとおりでした。 この個体は年内にもう一度羽化するのか,それともこのまま越冬態として年を越すのか,興味津々です。結果を見届けることにしています。 

 


クロアゲハの成長(13)

2013-08-27 | クロアゲハ

6月26日(水)午後5時。孵化後,ちょうど29日が経過。

飼育箱の底に横たえておくのは自然の理に叶っていないと思い,接着剤で篠竹の支柱に付けました。


 

7月12日(金)午後5時。孵化後,ちょうど45日が経過。蛹化から16日が経ちました。変化はありません。腹部に指を触れると動きます。

7月14日(日)。見ると,腹部をピクッと動かします。それも度々。これまでに感じなかった動きです。午後5時。孵化後,ちょうど47日が経過しました。

順調なら,色が大きく変わってくるはず。わたしはクロアゲハの羽化を観察したことがないので,とてもたのしみにしています。

7月22日(月)午後5時。孵化後,55日が経過。幼虫のからだに動きはまったくありません。色が少し変わってきました。緑系統の色合いが褪せ,腹部の節間が白っぽい色から黒に変化。

その後の話です。8月に入って,体色がはっきり黒っぽくなりました。それに硬いまま。というより,7月14日と比べはっきり硬化しています。「おかしいな,おかしいな」と思ってそのままにしていました。8月中旬のある日,たまたま「これは変だ」と思い触ると,腹部がパカッと折れました。なんと,中は空洞! すでに死に絶えていたのです。

あれほど羽化をたのしみにしていたのに,痛ましい結末を迎えました。長期観察が中途半端な結末になっただなんて!  

 


クロアゲハの成長(12)

2013-07-11 | クロアゲハ

6月25日(火)午前7時。孵化後,27日と10時間が経過。全体が多彩な黄緑色・褐色を呈しています。箱から出して撮影(下写真)。からだの動きまではわかりません。

午前8時。孵化後,27日と11時間が経過。見ると。飼育箱の底に横たわったまま,蛹化していました。脱いだ皮は尾端に付いた状態でした。この1時間のうちに蛹になったのです。ということは,午前7時の時点でよく観察していたら,動きが確認できたはずです。ともかく,無事に蛹になりました。ヤレヤレです。

 

午後9時。孵化後,28日と 4時間が経過。蛹らしいかたちになり,朝より硬くなっています。 ナミアゲハともキアゲハとも違った,緑と褐色の入り混じった複雑な色合いが特徴です。

 


クロアゲハの成長(11)

2013-07-10 | クロアゲハ

6月22日(土)午後7時。孵化後,25日と2時間が経過。口の辺りを撮りたくて,ぐっと近寄って撮影。

 

6月23日(日)午後3時。孵化後,25日と22時間が経過。飼育箱内のプラスチック壁面で静止。前蛹が近づいたようです。 

6月24日(月)午前8時。孵化後,26日と15時間が経過。壁でからだを固定しています。からだが湿って見えるのは,箱内に置いていたコップの水がこぼれ,濡れたためです。

 

午後1時。孵化後,26日と20時間が経過。濡れた壁で前蛹になりました。糸や壁に付いている褐色の塊りは排泄物ではないかと思われます。

 

ところが,この後,壁から離れて自然落下。これは一大事です。どうなることか,何とか蛹化に至ってほしいと願うばかり。

蛹化前に,わたしのミスで個体にとんだ迷惑をかけてしまいました。

 


クロアゲハの成長(10)

2013-07-08 | クロアゲハ

6月19日(水)午後1時。孵化後,22日と20時間が経過。体長4cm。新しい葉を入れました。そこでしっかり休んでいます。

6月21日(金)午前9時。孵化後,24日と16時間が経過。体長5cm。パリパリ音を立てて食べます。振動を与えても,近くの葉に指を触れても,ちっともお構いなしといった様子です。

食べ終わると,休む場にゆっくり移動します。

からだがぐんぐん大きく膨らんできたといった感じです。前蛹が間近と思われます。