葉月のブログ

命題:ウイルスの糖鎖はヒトの糖鎖と同一なので病因とはならない

ライデン大学の論文から新型コロナウイルスの変態ぶりを考察する その3

2020-06-26 | 新型コロナ

次に、SARS-CoV-2の複製サイクルの特徴を、ウイルスのタンパク質にたいする抗体を使用して調べています。


SARS-CoVの構造タンパクと非構造タンパク(nsp)に対する抗血清が、SARS-CoV-2のタンパク質と交差反応をした様子。
SARS-CoV-2を感染させたVero E6細胞を、12時間または24時間後に固定し、抗血清で標識し、免疫蛍光法で観察した図。青が細胞核。
(a) nsp4緑、dsRNA赤 (b) nsp4緑、Nタンパク赤 (c) nsp3 緑 (d) nsp13 緑 (e) Mタンパク 緑

Bar is 25 µm for (a) and (b); 100 µm for (c), (d) and (e).


ウイルスの非構造タンパク質(nsp)、構造タンパク質、そしてウイルス複製オルガネラの微細構造の変化は、SARS-CoVとSARS-CoV-2とでは、ほぼ同じでした。

VeroE6細胞での複製速度は、この二つのウイルスで、同等でしたが、最終的な感染力は、SARS-CoV-2の方が50倍小さくなっていました。

感染力は小さいけれど、SARS-CoV-2の方がRNAの合成が早く始まり、また最終的な合成RNAの量はも多いという事でした。

これが示唆するのは、SARS-CoV-2にウイルスの構築や成熟の点で問題があるのか、ウイルスと宿主の相互作用が異なるためではないかと、考察しています。

電顕で、SARS-CoV-2にスパイクが少なかったことから、この問題をもっと追及する必要があるとしています。

下の写真で、SARS-CoVには、スパイクがみえますが(n)、SARS-CoV-2にはスパイクがみえません(r)。



CDCの論文でも、臨床サンプルをHuH7細胞で培養すると、スパイクがなくなっていましたが、これも併せて考えると、何か仮説が立てられるかもしれません。

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