葉月のブログ

命題:ウイルスの糖鎖はヒトの糖鎖と同一なので病因とはならない

シュードウリジンのミスマッチの問題

2023-11-12 | 編み物をしながら考えたこと
新型コロナワクチンのmRNAと同じ配列のmRNAを、ウリジン、シュードウリジン、N1-メチルシュードウリジンを使用して合成し、タンパク質の産生量を比較した実験です。ミスマッチがあるかどうかも調べています。

In addition to comparable yields, we also noted that regardless of the modification status of the mRNA, the resultant spike protein appeared to be processed into smaller products in the HEK 293 cells (Figure 4B), as has been previously noted (Ou et al., 2020).

HEK293細胞でタンパク合成をすると、本来は250kDaのサイズのスパイクができるはずですが、100kDaの短いものに、「processed」されるようです。

タイトルが、faithful protein products が産生されるとなっていますが、どうなのでしょうか。

ミスマッチの部分ですが、逆転写するとミスマッチが起こるということがわかりました。M-MLV (Promega) と AMV (Promega) enzymes の2種類の逆転写酵素を使っているのですが、シュードウリジンだと両方でミスマッチが起こり、N1-メチルシュードウリジンだとM-MLVを使ったときだけミスマッチが起こったということです。ミスマッチは、修飾ウリジンがAあるいはGと間違えられています。シュードウリジンと比べると、N1-メチルシュードウリジンでのミスマッチは一桁少なくなっています。


この結果は、前回のブログの、ケト型とエノール型で、シュードウリジンは2つのケトン基がOH基になるエノール型で安定になり、N1-メチルシュードウリジンではメチル基がある分、1つのケトン基だけがエノール型になるという考察を支持しているのかもしれません。






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