日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

イベントと地域活性化

2008-09-06 22:08:54 | マーケティング
昨日、友人3人と一緒に大津市にある「石山寺」に行ってきた。
ご存知の方も多いと思うのだが、現在石山寺では源氏物語一千年紀in湖都大津のイベントを開催している。

大学受験用として高校生の頃に読んだ「源氏物語」は、面白くなかったのに、大人になってからじっくり読んだ「源氏物語」は、とても面白く「プチ・源氏物語ファン」になってしまったのだ。
といっても、私が読んだのは現代語訳のモノ。
谷崎潤一郎訳も読んだことがあるのだが、漫画「あさきゆめみし」の方が、印象深かったりもする(苦笑)。
ということもあり、「この機会を逃しては石山寺に行って、紫式部を拝むこともないだろう」ということで、無理やり(?)友人を誘って行ってきたのだ。

ウォーキングコースとしても丁度良さそうなので、大津市e湖都市場のHPに掲載されていたコースを辿ることにした。

駅前から歩きはじめると、昔ながらの商店街がある。
その場所は、地元の方にとっての「生活の場所」だということが分かるのだが、賑わいは感じられない。
もちろん、それなりの自動車交通量があるのだが、間口の狭い店多くの店には余り活気が感じられない。

その商店街を抜け、京阪石山寺駅まで進んでいくと、現在行われている「源氏物語一千年紀in湖都大津・夢回廊に到着するまでの道にはイベントの旗があり、さぞ賑やかかと思えば、行き交う人の姿が余りない。
会場に到着すると、それなりに入場者はいるのだ。
クルマで来場されている方が多いのだ。
昼食を取るため、駐車場に行って電車などを利用して来場する人が少ない理由がわかった。
観光バスツアーが、ズラリと並んでいるのだ。
おそらく、宇治~石山寺という「源氏物語ルート」のツアーバスなのだろう。

しかし、コレではいくら素敵なイベントを展開しても、地域の活性化には結びつかない。
特に駅前となると、大型スーパーがあるという印象は余りない(駅商店街そばに1店あった?程度)のに、活気が感じられない。
JR京都からは普通電車で15分程度の距離とはいえ、地元の人たちの日常的な活気が感じられなかったのだ。
そして、京阪石山寺駅~本堂入り口にまで続く国道沿いの1kmほどの歩道(歩きやすいように整備されている)も、殆ど歩く人の姿がない。
かつては、歩く人も多かったのだろう、そんな観光客目当てのお店がいくつかあるのに、地域全体としての活気が感じられないのだ。

地方では、様々なイベントをすること=地域の活性化だと考え、展開をすることがある。
しかし、多くの場合胸算用とは違う結果となってしまうことも、また多い。
もし、石山寺駅~宇治行きの臨時バスが運行されていれば、その道はもっと多くの人が行き交い、途中にあるお店で足を止めていたのではないのか?
単に道を繋ぎ、効率だけを狙ったツアーではない、ツアーの提案がされていれば・・・と、思ってしまったのだ。

もちろん、夢回廊ではロボット「MURASAKI」ちゃんのデモンストレーションに、ビックリ!し、十二単体験をしたり、古典の世界にたっぷりと浸り、石山寺で招福を祈願したりと、とても楽しく充実した時間を過ごしたのだが・・・。