日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

この国の舵取りは?

2008-09-01 21:54:46 | 徒然
ビックリ!というのか、やっぱりというのか?福田さんが総理が辞任した。
昨年の安倍さんに続き、2年連続の「道半ばでの総理辞任」となった。
「何故?」という疑問しか起きない。

1ヶ月ほど前に内閣改造を行い、今月12日からは臨時国会が開かれる予定だった。
福田さんは、記者会見でしきりに「迷惑をかけないこの時期だから・・・」と、言っているのだが、本当に迷惑をかけない時期だったのだろうか?
内閣改造前の辞任だったら、もっと違ったのではないだろうか?

福田さんは、何もしないがために支持率を下げつづけた総理だった。
緊急的な景気対策も経済対策も、殆どなかった。
強いてあげると、内閣改造直後にあった「お盆休み明けに、景気対策案の指示」というコトがあった程度だろう。
コレも、選挙向けというのが多くの人の見方だった。

記者会見全体を見てみると、福田さんは「自己評価が高い」という印象を、言葉の端々受ける。
安倍さんが辞めたときには、「自己愛型性格」というコトが言われた。
どちらにしても、自己評価が高いがためのチグハグな記者会見だった、という感じの記者会見だった。

民主党は小沢さんが、そのまま引き継ぐことになった。
でも、小沢さんの頭にあるのは「選挙で勝つこと」だけのように思える。
選挙後の国民生活のビジョンが見えてこないのだ。

小沢さんにしても、福田さんにしても眼中にあるのは「選挙」なだけで、この国の舵取りなどということは、余り考えていないということだけがよく分かったような気がする。


事例研究がHow toに変わる時

2008-09-01 07:24:38 | 仕事のコツ
お盆休みのとき、何冊かの本を読んで過ごした。
その中の1冊は、以前紹介した高機能自閉症の方が書かれた本だった。
そして、故河合隼雄さんと中沢新一さんの対談集などなども読んだ。

その河合さんと中沢さんの対談集の中で、いくつか気になることがあった。
そのひとつが「事例研究発表の方が科学的研究発表の方が、参加者の興味が違う」という内容の言葉だった。
この言葉は河合さんから出た言葉で、心理学研究発表の場で「このような治療法をしたら、このように治りました」という内容の話をすると、参加者は熱心に聞き、具体性に欠ける科学的研究発表では、人気もなければ熱心に聞く人もいないというのである。

この一節を読みながら「確かにそうだろうな~」と思ったのだが、反面「聞き方ひとつで、事例研究がHow toになってしまうのでは?」という気がしたのだ。
というのも、私自身がこのような経験を幾度となくしているからなのだ。

2、3年前、「郵政公社(現郵便事業会社)、トヨタ・カンバン方式を導入」という話題があった。
丁度、年末の年賀状シーズン前の頃だった。
トヨタのカンバン方式を導入し、業務効率化を図るというのが目的だったのだが、蓋を開けてみたらまったく違う結果となってしまっていた・・・というコトだった。
年賀状配達の遅延が多く、誤配達も目立ったのだ。
当然、コレでは苦情が多くなる。
効率・合理化のお手本とされていた「トヨタ・カンバン方式」が、郵便事業には合わなかったのだ。

他にも、「○○で成功」という事例を導入して、失敗した事例は数多い。
何故、その様な失敗をしてしまうのか?といえば、「How to」として、その事例をそのまま取り入れてしまうからだ。
トヨタのカンバン方式は、クルマなどを製造する事業では参考になる方法だろう。
しかし、郵便事業はクルマを製造するわけではないので、参考にはならなかったはずなのだ。

成功事例を聞きながら、「我が社では?」という疑問や検証をしながら、成功事例のエッセンスを参考にするだけで、実際はオリジナルのモノを作っていかなくては、意味がないのである。

臨床心理学という、一人ひとりの状況が違うはずの現場でも、事例研究がもてはやされているというコトに、やや心配しながら読み進めたのだ。
といっても、実際研究発表を聞いている臨床心理学の先生たちは、それぞれの患者さん達の顔を思い浮かべながら、聞いていると思うのだが・・・。