日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「本を聴く」時代がやってくる?!

2016-06-23 20:07:03 | ビジネス

ネットにはテレビとは違う「広告」が。数多く表示されている。
中にはいかがわしい?健康食品や、情報源のわからないゴシップもどきの「広告」もある。
テレビCMとの大きな違いは、大手広告代理店を使わなくても「広告」が出せ、それなりの効果があるということだろう。

その一方、ネットだからこその「広告」というモノもある。
Amazonなどの広告は、テレビCM向きというよりもネット向きの「広告」という気がする。
理由は、Amazonのユーザーそのものがネットユーザーだからだ。
そのAmazonが、新しい事業を始めるらしく「広告」が表示されていた。
広告の内容は「本を聞く」というモノ。
Amazon:Audible(オーディブル)・自由に本を聴こう

「本を聴く」というと、視覚障害を持っていらっしゃる方向けのサービスのように思えるが、決してそうではない。
もちろん、視覚障害を持っていらっしゃる方の利用も含めてのことだと思うが、Amazonが想定している利用者は普通の健常者だ。
「本を読む」のではなく「本を聴く」というサービスに、違和感を感じる方も多いと思うのだが、おそらく「本を読む時間が無い」という人向けに考えられた新しいサービスなのでは?という気がしている。

というのも「(本を)読む」という行為は、その行為に熱中する(というか集中する)ことが必要だからだ。
それに対して「聞く」いう行為は、「ながら」でできる。
「ながら」で聞いて、どれだけ内容を理解できるのか?という疑問はあるが、一応「聞いた」という満足感は残る。
「読了」という満足感ほどではないが、ある一定の満足があるという点は、大きいかもしれない。
また「聞き返す」ということも、本のページを繰るよりもラクなことかもしれない。

このようなサービスが可能になったのは、音楽の聴き放題サービスが昨年あたりから充実してきたことが、大きいだろう。
事実、このオーディブルというサービスは、月額定額制だ。
どれだけのタイトルの本をダウンロードしても、定額なので安心できる。
場合によっては、電子書籍を購入するよりも安く済むかもしれない。
日本では、イマイチ普及しているとはいいがたい電子書籍の普及という点でも、期待をしているようにも思える。

提供されるサービスの中で「マンガ」が含まれていない点にも、注目する必要があるかもしれない。
「音声で文章(あるいは文脈)から場面を想像する」ことが必要なサービスだと考えると、「マンガ」はマッチングしない。
ということは、このサービスを利用する側に要求されるのは「文章(あるいは文脈)から、場面を想像する力」かもしれない。

眠る前のひととき、本を聴く・・・ということが当たり前になるのだろうか?