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小池百合子さんは、ガラスの天井を壊すことができるのか?

2016-06-29 16:24:28 | アラカルト

舛添さんの東京都知事の辞任が決まった直後から、次の都知事選びが始まっていた。
まず最初に名前が挙がったのは、人気アイドルグループの「嵐」のメンバー櫻井翔さんのお父さんだった。
マスコミには「桜井パパ」という紹介のされ方もされていたが、総務省のキャリア官僚としての活躍をされてきた人物。
自民党都議連側としては、ご子息の人気もあり期待が高かったようだが、ご本人は否定をされている。
とはいうモノの、一部報道では自民党都議連側からの要請は、あるようだ。

そこへ今日突然、自民党衆議院議員の小池百合子さんが都知事選の出馬を発表した。
自民党都議連側にとっては寝耳に水だったらしく、Yahoo!のトピックスは「都議連混乱」という記事を取り上げている。
小池百合子さんなら、国会議員としての実績は舛添さんよりもはるかにある。
元々ニュースキャスターなどの経験もあり、それなりに「華のある」人物だ。
その点では、桜井パパよりも「東京都の顔」として、適任かもしれない。

ただ小池さんの場合、桜井パパよりも様々なハードルが高いような気がする。
その一つが「都議会」という場だ。
東京都という訳ではないが、地方議員さんの大多数は男性でしかも年齢的にも高い方が多い。
最近は、随分減ったのかもしれないが、国や地方関係なく年齢の高い「オジサン議員」の口の悪さは、耳を覆いたくなるようなことが多い。
特に女性を相手に議論をするような場面では、議題とは関係のない心無いヤジを飛ばして悦に入っている方も、昨年から今年にかけ、問題になった。

もちろん、この程度のコトでひるむような小池さんではないと思うが、そのような意識を持っている生活者も少なからずいる、という点だ。
国会議員としての実績についても、決して良い印象を持っている人ばかりではないはずだ。
もう一つは、同性である女性からどれだけ支持を受けられるのか?という点も、気になる。

これまでも、しばしばいわれてきたことだが「女の敵は女」という言葉がある。
同性だからこその「嫌悪感」というモノがあるのだ。
特に「子育て政策」などに関しては、子育て経験のない小池さんが何と言おうと「子育て経験がないのに、分かったようなことを言って・・・」という、批判が起きる可能性はあると思う。
それくらい、冷ややかな見方をされる可能性もあるはずだ。

国会議員のように、自分たちの暮らしや生活とやや離れたところでの話であれば、「女性も国会で活躍すべき」と思っている人が、地方自治になると「女で大丈夫か?」と言う見方をすることは多い。
確かに、北海道や滋賀県などでは女性知事が誕生している。
だがそれは、北海道や滋賀県だからできたのでは?と、思っている。
なぜなら、東京という都市は案外保守的なところがあるからだ。
大きく物事を変えなくては!という時には、革新的な考えや人物を支持する傾向がある。
しかし東京という都市は、経済的にも安定した財源があり、その財源も小さな国の国家予算並みにある。
すなわち、革新的なことをあえて起こす必要がない都市でもあるのだ。
だからこそ、自民党都議連は桜井パパを都知事選に担ぎ出そうとしたのだと思うし、それは当然のような気がする。

米国の大統領選では、民主党代表はヒラリークリントン氏に決まった。
その彼女ですら「ガラスの天井」があり、それを打ち破るのは大変・・・と話している。
小池さんはその「ガラスの天井」を打ち破るコトが、できるのだろうか?