昨日開幕した、大阪・関西万博だが、初日からトラブルに見舞われたようだ。
最大の要因は、雨だったのかもしれない。
大屋根リングは雨漏りが発生し、雨宿りをする為に大屋根リングに入った人達が、傘をさしている写真が、毎日新聞のWeb版に掲載されている。
毎日新聞:万博の大屋根リングで雨漏り 協会が補修へ 支出は小規模の見通し
昨日は時折横殴りの雨が降るほどの荒天だったようなので、大屋根リングのような構造では屋根の下にいる、という状況ではなかったのかもしれないが、それにしても写真で見る限り「雨漏り」ではなく「屋根の意味があるの?」という印象を受けてしまう。
先日来から問題になっている「メタンガス」についても、その要因は下水汚泥を埋め立てに使ったから、というのが理由だったようだ。
下水汚泥を使う計画で、事業が進んでいたのであれば、最初から「メタンガスが発生する」という、想定はされていたのでは?と、素人考えをしてしまうのだ。
「メタンガス」だけではなく「硫化水素」も発生している、という調査レポートがあったようで、このことは衆議院でも取り上げられていたようだ。
衆議院質問本文情報:大阪万博会場における硫化水素の発生に関する質問主意書
この質問主意書が提出されたのが、昨年10月のことなので現在は状況が変わっているかもしれないのだが、万博会場のトイレが汲み取り式、という点でもこのようなトラブルが起きやすい状況をつくったのでは?という気がしている。
この文を読まれて、「万博のトイレって2億円とかかけていたはずなのに、汲み取り式なの?」と、疑問に思われる方もいらっしゃると思うのだが、万博の公式サイトにも「契約情報」として、きちんと掲載されている。
大阪・関西万博公式サイト:契約情報
ということは、今回問題となっている様々な要因は、埋め立て土砂から始まり、外観だけ膨大なお金をかけたにもかかわらず、下水処理システムを十分にできなかった、ということも関係している、ということになるのではないだろうか?
とはいえ、既に開幕してしまった万博。
今後どうする必要があるのだろうか?と考える必要があると思う。
今回発覚した「メタンガス・硫化水素・アンモニア」は、上手に活用すれば「次世代エネルギー」として活用できる物質でもある。
東北大学 シリーズ代替エネルギー2:下水汚泥から水素エネルギーの開発
今更、これらの物質をエネルギーに変えるプラントを建設する時間はないとは思うが、それでも会期終了までに少しでも活用する方向性を検討する意味はあるのでは?と、素人ながらに考えるのだ。
何故なら、今回の万博のテーマに「未来社会のデザイン」という言葉が含まれているからだ。
次世代エネルギーを万博施設内でつくりだし、活用することは、国際的紛争の要因の一つとなる「エネルギー問題」の解決の一つを提案することができる。
「世界の人たちのいのち」という視点でも、整合性がとれるのでは?
2億円のトイレやギネスに登録されるような巨大木造建築物が、「いのちかがやく未来社会のデザイン」なのか?
そのような視点やアイディアが設計段階で行われなかったことが、とても残念に思う。