朝日新聞のWEBサイトに、トヨタ自動車がグーグル傘下のロボット会社を買収を検討している、という趣旨の記事があった。
朝日新聞:グーグル傘下ロボ会社、トヨタが買収交渉
この記事を読んで思い出したことが、3年ほど前グーグルが東大OBたちが作ったロボットのベンチャー企業を買収した、というニュースだった。
日経新聞:グーグル、ロボット事業に参入、東大発VBを買収
グーグルが買収をした東大発のロボットVB企業と今回トヨタ自動車が買収を検討している、ロボット会社とは違う会社のようだが、朝日新聞の記事を読んだとき「日本の大手企業は、国内ベンチャーには興味が無いのか?」と思ったのだった。
というのも、グーグルがロボット会社を次々と買収をするようになったのが、この東大発のベンチャー企業だったからだ。
何より、その後のロボット技術を競う国際大会では、日本勢は惨敗を期し、韓国勢が優勝をした。
このとき韓国勢が使っていた技術というのが、グーグルが買収をした東大発のベンチャー企業が開発した技術だった、と言われていたからだ。
惨敗した日本勢は、一から技術を開発するコトになったため、既存の技術を活用するコトができず、技術開発ができなかった、という話も聞いたコトがある。
何より、この東大発のベンチャーが企業となるまでの支援を、日本政府もしていたと聞いている。
ところが、日本国内の大手企業の支援なくグーグルが買収をした、という経緯を知ると「なんともったいない!」という気がするのだ。
と同時に、このような例は案外あるのでは?という、気がしてくるのだ。
確かに、ある程度成長をした企業を買収する、ということはリスクの少ないコトだとは思う。
ベンチャーとなれば、「海のものとも山のものとも、分からない」からだ。
しかしある程度、政府から資金支援を受けていたようなベンチャー企業であれば、当然そのリスクはある程度少ないのでは?
まして、政府の資金支援=税金が投入された「将来性が見込める」と政府が判断しているのだ。
にもかかわらず、なぜ日本の大手企業は、買収をしなかったのだろう?
「頭脳流出」という言葉があるが、これもまたカタチを変えた「頭脳流出」という気がする。
しかも単なる「頭脳流出」というだけではなく、「経済的流出」という一面も持っていると思うのだ。
日本の大手企業は「リスクをとる=挑戦」よりも、「安全・確実」を選ぶ傾向があると感じるコトは多い。
しかし、時には「リスクをとる」コトで、日本国内の様々な産業分野が活性化するチャンスがあると思う。
そう考えると、日本の大企業だからこそある程度のリスクを覚悟で、ベンチャー企業を支援し、一つの産業として成長させるサポートをしてほしい、と感じるのだ。