ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

トンマッコルへようこそ(ネタバレ)

2006年11月03日 | 映画
基本的にネタバレですが、重大なネタバレには伏字を使います。
かなり前、シネマスクエア東急で「僕の大事なコレクション」を見た時に予告を見て、行こうと決めていた映画でした。
話も面白そうだし、映像も綺麗だし、というのもありましたが、決定打になったのはシン・ハギュンが出ていたことでした(笑)まあ、彼が出ていればなんでも観に行くわけではないけれど・・・「マイブラザー」は見ませんでしたし。
しかしシン・ハギュン、来日した時の映像を見たら、ホビットのようなくるくるパーマに・・・(汗)びっくりいたしました(笑)
音楽が久石譲というのも「なんで?」とびっくりしたものでした。なんか宮崎アニメそのまんまな音楽に聞えて。
本編で聞いたら予告ほど宮崎アニメそのものではありませんでしたけど。
公開近くなって知ったのですが、監督は宮崎アニメが好きなんだそうですね。なるほど、と納得でした。
しかし久石譲の音楽、ファンタジーな場面や静かな場面では音楽が主導しているかのような効果絶大でしたが、緊迫した場面の音楽があんまりよろしくないなあ(汗)宮崎アニメでもそう思ったことがあるのを思い出しました。

というわけで、実写版宮崎アニメみたいなものかなーと思って観に行ったのですが、私の印象ではかなり違うものでした、良くも悪くも。
思ったよりもしっかり韓国映画だったなーという感じでしょうか。韓国映画5、6本しか見たことありませんけど。
宮崎アニメと比べるには洗練されてないなと思う部分もありましたし、演出のテンポが悪いなあと思うところもありました。
猪のCGもひどかったし・・・まあ中国映画のPROMISEよりはマシでしたけど(汗)アジアのCGはまだまだですねえ。(私がアジアという時はたいてい日本も入ってますので(汗))
でも、「これは反則だ!」と言いたくなるような上手い演出、美しい映像も随所にありましたが。
一番反則だったのはラストかな~。あれは色々解釈できるらしく、私は単純に回想シーンだと思ってたんですが、夢オチだという説もあるらしく・・・えー、そうなのかなーと思ったのですが。夢オチじゃない方がいいなあ私は・・・
あと、宮崎アニメに比べてずっとシビアな話なのが、私には良かったです。シビアだからこそ、夢のような優しいシーンに心打たれたかな・・・
思ったよりもアメリカ兵のお客さん、スミス大尉が絡んでこなくて、北と南の兵士たちの物語が中心でしたね。
ちょっと連合軍のアメリカが悪者になってて(いや悪者でないことは全くないと思いますが(汗))、連合軍の司令部?の様子などはもっとカットしても良かったように思いました。民間人よりも作戦が大事だとか言って韓国人が引くシーンとか(汗)このあたりは後で捕虜になった連合軍兵士の口から説明されるだけでも良かったのでは。
そういえば、輸送機やスミスが乗っていた偵察機が相次いで同じところで堕ちたのは何でだったんでしょう。実は他のところに高射砲があったんだったりして(汗)
あ、まさか蝶のせいで墜落したんじゃないだろうな・・・?(汗)
墜落した輸送機に乗っていた人たちもどうなったんでしょうか。皆死んだにしては死体がなかったし、生きて逃げたんなら連合軍にも情報が入っていただろうし・・・
このあたりはちょっと解せない感じでしたが。
南北の兵士たちの構成はJSAを思い出させました。ソン・ガンホがやってた北朝鮮の軍曹(でしたっけ)のキャラクターがチョン・ジェヨン演じる将校同志(本名1回しか言わなかったから覚えられませんでした(汗))と下士官のおじさんに分かれた感じ。そう思うと、JSAでは北朝鮮の少年兵士だったシン・ハギュンがイ・ビョンホンがやってた役と同じような立場か、と思うとなんか感慨深いような。
北の上官が最初に歩み寄るというパターンも同じだったし。
JSAを思い出しても、南北分断の問題は、韓国ではハッピーエンドのファンタジーでは済まされないんだろうなあと思いました。それがこの映画のシビアさにも繋がっていたと思います。原作になる舞台劇があるそうですが・・・
猪退治で仲良くなるのはなんだかなあと思ってましたが、食べ物がらみというのは説得力があって良かったなと(笑)
シン・ハギュンも目当てだった私としては堪能させていただきました(笑)カッコイイ役だったな~。猪に追っかけられてる時の必死な顔みたいなコミカルな演技も好きなんですけど。
将校同志のチョン・ジェヨンもカッコよかったし。
彼は、ピョ少尉の苦しみが自分と同じものではないかと気づいていて、それで気にかけていたんだろうなあと、彼の優しさと、彼自身の苦しみを思って胸が痛みました。
ピョ少尉も最後にはそのことに気づき、心を開きますが、結局は自分の苦しみを打ち明けることはとうとうしなかったのですね。
将校同志も、「なぜ眠っている時に殺さなかったのか」とピョ少尉にきかれた時、野グソにかこつけて答えませんでしたが。このあたりの語りすぎないところがいいなあと思いました。このあたり欧米にはないアジアの表現かなーとも思います。
多分、将校同志は、もう人を殺すのはいやだと思ったのでしょう。そして、ピョ少尉も自分と同じ苦しみを抱えていることを見てとったのでしょうね・・・
また、下士官のおじさんの、心を許してからのにこやかな人の良い様子も良かったです。キャスティングが上手いなあと。陽気なサンサンの存在は、下士官のおじさんのキャラクターを際立たせるためにも効いていたと思います。
テッキ少年とヨイルのエピソードも良かったし。ヨイルの死は、テッキ少年を死が待つ戦いに赴かせるのに説得力も持たせていたと思います。
のどかなトンマッコルの人たちはさながらホビット庄の住人たち。いや、ホビットよりも純真でしょう。
少女ヨイルはもちろんですが、ドング少年や村長の母親のおばあちゃんの存在が効いてましたね。
おばあちゃんが別れ際に「出て行くなら来なければ良かったのに」というところなど泣けました。というかこのあたりはすでにボロ泣きでしたが(笑)
ドング少年とスミス大尉の交流も良かった。
彼らだけでなく、「また来るか?」と聞いたり、村人たちが皆無邪気に彼らを慕っていたところが泣かせましたね・・・彼らの純真さ、優しさに癒される兵士たちの気持ちを思うと。
なんだかホビット庄を守る野伏たちの気持ちがわかったような気がしました(笑)ハルバラドの「彼らの国境の安全を守るためにわれらが久しく苦労してきたことをかれらはほとんど知りませんが、わたしはそれを不満には思いませんね」という言葉が実感できたというか。
最後の戦いは、あんなんで騙せるのか? という疑問はありましたが・・・
最初のうちは、この激しい攻撃の中無事に生きてたら嘘くさすぎる、と思いながら見ていましたが、やっぱり皆死にましたね。ホッとしたといったら不謹慎かもしれないけれど。
下士官の死、ソンソンの死のあたりは、戦争映画だなーという感じでしたが、最後、爆弾が投下される閃光の中、立ち尽くすピョ少尉と将校同志の「やりとげた」という笑顔は良かったです。
でも、テッキもいたんですが・・・(汗)テッキにも笑いかけてやれよ! というのが気になりました・・・
といいつつボロ泣きしてましたがね・・・(笑)
全員死んでしまうというのはシビアなラストだったかもしれません。人を殺して来たことに絶望していた将校同志やピョ少尉は、村を救うことで自分たちも救われただろうけど、他の3人は・・・
特にサンサンとテッキ少年はかわいそうな気がしました。テッキ少年は、ヨイルが死んでいなかったら、村に残れといわれていたかもしれないな、と思いました。
ピョ少尉がサンサンに、ここで逃げたらずっと後悔することになる、と話したのは、自分自身の経験からのことでしょう。でも、その後悔を抱いて生きていくのもまた一つの選択ではあったと思いますが・・・やっぱりサンサンが一番かわいそうかも。
でも、これもまた戦争なんだなと。連合軍の兵士を村で殺してしまった時点で、彼らにはもう救われる道はないのだ、と感じました。
戦争で戦うということの重さをきちんと描いていた結果かな、とも思います。決して美化していないというか。誰も死なない戦闘もまた白々しいですから・・・
スミス大尉が生き残ったことは、少なくとも彼らが村を守ったということを知っている人物が一人でもいてくれるということで救われると思いました。
そしてラストシーン。反則だ~、とまたしてもボロ泣きに・・・。RENTの映画のラストシーンも思い出しました。
スミスが撮っていたフィルム、どこかで出てくるんだろうと思いつつすっかり忘れていたらエンドロールに。
これも泣けました・・・このあたりもRENTを思い出させましたね。

映画全体としては、まだ荒削りだなと思う部分もあるのですが、とても心を揺さぶられる作品だったというのは確かです。
もう一回みたいかな・・・?

てなわけで今年見た映画の順位。
1.ナルニア国物語第一章ライオンと魔女 / 2.RENT / 3.僕の大事なコレクション / 4.ロード・オブ・ウォー / 5.フーリガン / 6.トンマッコルへようこそ / 7.ユナイテッド93 / 8.V・フォー・ヴェンデッタ / 9.ローズ・イン・タイドランド / 10.スタンドアップ / 11.シャガール ロシアとロバとその他のものに /12. ヒストリー・オブ・ヴァイオレンス /13.キングコング / 14.ハリーポッターと炎のゴブレット / 15.DOOM / 16.サイレントヒル / 17.X-MEN3 /18.プロデューサーズ / 19.パイレーツ・オブ・カリビアン2デッドマンズ・チェスト / 20.ゲド戦記 /21.アンジェラ / 22.ダ・ヴィンチ・コード / 23.PROMISE / 24.フライトプラン
完成度という点では「ユナイテッド93」より下かなとも思いつつ、心揺さぶられ度でこの順位に。「フーリガン」より上でも良かったかも・・・
しかし、「ロード・オブ・ウォー」はこんな上でいいんだろうか・・・既に見たの1年近く前なので自分の評価に自信がないです(汗)
コメント (3)
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スターウォーズ 外宇宙航行計画

2006年11月03日 | 読書

「ローグ・プラネット」から2年後、14歳のアナキンとオビ=ワンが出てくるということで読んでみました。
まあ、「スターウォーズ全史」で、アウトバンドフライトからは途中で降りてしまうのはわかっていたので、出番少ないだろうなあとは思ってたのですが、思ったよりは出てました。少なくともオビ=ワンは。まあでも脇役ですね・・・
アナキンは完全に脇役でしたが、ローグ・プラネットの頃よりは成長して、かなり「使えるパダワン」になっていたところが「おお」と思いました(笑)生意気ではありますが、脇役なだけあって比較的おとなしくオビ=ワンの言うこと聞いてたし。
しかし、下巻の表紙のアナキン、なんだか20歳のころのアナキンがちんちくりんになった感じでうーむ、です(汗)もうちょっとなんとかなあ・・・
この前にジュニアノベルのラスト・オブ・ジェダイの1、2巻を読んでたんですが、やはりジュニアノベルよりは面白いですね、小説として(汗)
スピンオフはオリジナルのキャラクターが面白いかどうかにかかっているように思うのですが、迷いの多いジェダイ、ロラナ・ジンズラーは面白いキャラクターだったと思いました。
この話、ep6以後のスピンオフで昔から出ていた、スローン三部作や「生存者の探索」の前段にあたる話だそうですが、全然知らないので、スローンとか「なんだろこの人」な感じで読んでました(汗)なんかスローンは出来すぎなキャラクターで反感を持つな~(汗)
最後は「え、これで終わり?」な感じでしたが・・・(汗)昔のスピンオフを読んでいるとあれでも納得の終わり方なのでしょうか?
本屋でちらっと「生存者の探索」を立ち読みしたら、ウリアーだとかディーン・ジンズラーだとかジョラス・シボースだとか名前が出てきていたので、「生きてたんだ~」とびっくりでした。(ジョラス・シボースはもう死んでそうだった?)
ロラナも生きてたのかな。ジョージ・カーダスは?
こうなると「生存者の探索」も読んでみたくなりますが、買うほどではないし・・・でも地元の図書館にもなかったので、他の図書館から借りてもらうサービスに登録してみました。さていつ届くものやら(汗)
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指輪サイト4周年

2006年11月03日 | 指輪物語&トールキン
今日は指輪サイト開設4周年でした。
2周年目、3周年目はなぜかもう1年長くやっているような気がしていたのですが、今回はまだ3年目くらいの気分でした(笑)何年目か指折り数えてしまった・・・(笑)
多分、2年目、3年目は色々とイベントもあってそれなりに内容が濃かったから1年が長く感じたのかもしれません。で、この1年はあまり何もなかったんで、短く感じたのかも(笑)確かに、なんとなーく1年たったという感じがします。
しかも、サイトの方はあんまり更新してないし(汗)LotRシンフォニー情報だけ細々と更新している感じですね・・・
本当はまだコンテンツの構想もあるんですが、もういつ取り掛かれるのか全く未定です(汗)サントラ考察すらまだ手を入れたいのに・・・
しかも、当初から日記の更新の方が主になっていた面はあるんですが、ブログになってから、すっかりブログの方がメインになっているような(汗)アクセス数も完全に逆転してますし。一応自分ではまだサイトの付属のつもりなんですが・・・(汗)
そもそも、サイトの更新がままならなかったのも、毎日日記書かないと、という自分で勝手に決めたことのために時間がなくなってしまっているのが原因だし(汗)本末転倒なんですが・・・
その指輪日記も4年間やってきたわけですが、最近はネタがないとろをラジオドラマと原作読書等でカバーしている有様ですが(汗)どうやら当分はラジオドラマや原作読書を続けて行きそうなので、なんとか日記のネタも続いて行くかなと。
映画は各30回以上見ているとさすがに感想も少なくなって来ますが、原作やラジオドラマは年一回が限度ですから、毎回新鮮な感想があるかなーと。
実は今日ラジオドラマ聴き終わりまして、入れ替わりではないのですが原作読書も始めました。原作多分また半年くらい読んでそうなので(笑)
そしてついに朗読CDも聴き始めることになりそうですが、これはいったいどのくらいかかるのか見当もつきません(汗)1年じゃ終わらない気がする・・・(汗)
まあ私の場合、このやることのノロさと妙な気の長さが長続きの要因にもなっているようなので(笑)まだ当分は指輪日記は続きそうです。
ちょっと1年前の日記を読んでみたら、書いてあることはほとんど現状と変わりありませんでした(汗)やっぱりこの1年は停滞してたんだな・・・(笑)
そして、2年前の日記を見たら、今後の更新予定でいくつか挙げているもののうち、完成したのはRotKのサントラ考察のみでした・・・やっぱり停滞してるなあ(笑)
しかし、1年前の日記で、「1年後のことは先が見えない」と書いていたのですが、気がつけばほとんど現状維持のまま1年なんとなく過ぎてましたので(汗)5周年もこんな感じで迎えるのではないかと思われます(笑)
とりあえずは、2月のクリーヴランドと7月のニュルンベルクのコンサートのレポートは書かないと、という感じですが。これはさすがに来年11月までにはできるでしょう(笑)
あと、サントラ考察も手を加えないとなんですが。これはちょっと怪しいかな~(汗)
そんなこんなで、あんまり節目な気分でもないのですが(汗)今後も細々と続けて行く予定ですので、よろしくお願いいたします。m(_ _)m
コメント (8)
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