ようやく読み終わりました。4日もかかってしまった・・・(汗)
ご覧のとおりの、赤地に金の縁取りが素敵な装丁です。裏表紙に、トールキンの手書きの封筒の絵が何種類かランダムに載っているのもいい感じ。
絵本より小さいと聞いていたのでかなり小さいのかと思っていましたが、思ったよりは小さくもありませんでした。
でも、絵本版の大きな絵に慣れてしまうと、ちょっと絵が小さくて物足りないですね・・・絵本版の表紙のオーロラ爆発の絵も、裏表紙の階段落ちした北極グマの絵も、物足りない気がしました・・・
そんな中、サンタクロースがオックスフォード上空に来た時のシルエットの絵だけなぜか見開きで拡大されていて、これは嬉しかったです。この絵を見て、トールキンの絵心に感心したんですよね。
手紙の文章と絵が離れていたりするのも読みにくいかな・・・どの絵のことだか探さないとわからないところがしばしば。
しかし、やはり全部の手紙が読めるのは嬉しいですね~。
絵本版ではどういうわけだか子供たちの固有名詞を排除しているのですが、この本ではちゃんと原文どおり名前が出ているのが嬉しいです。
どの子にいつぐらいまで手紙が届いていたのか、というのが気になって原書まで買ってしまったくらいですから・・・
順番に読んでいると、だんだん子供たちの名前が入れ替わって行くのが寂しいですね。最初はジョンがサンタさんのことを聞いたことから始まった手紙が、ジョンが靴下を吊るさなくなり、やがてマイケルも靴下を吊るさなくなり、「早く字が書けるようになるといい」と言われていたクリストファーも卒業し・・・
そうやって子供たちの名前が少なくなって行く中、最後の方は戦争が始まった暗さを感じさせるようになるのも寂しさを感じさせます。
それでも、もうサンタさんに手紙を書かなくなった上の子供たちにもよろしく、と書いていたり、トールキンの子供たちに対する愛情を感じてほのぼのしますね。
しかし、どうもクリストファーの名前が出てくる回数が多いような・・・やっぱりクリストファー氏が一番かわいかったんですかね・・・
最後のプリシラ宛の手紙、「来年はもうくつ下を吊るすこともないだろう」と書いてますが、どうして今年が最後だとわかったのかが前から気になってました。既にお父さんがサンタだとバレていて、敢えて書いたのだったら切ないなあ、なんて思います。
もしプリシラさんにお会いする機会があったら、ぜひこのことを聞いてみたいものです・・・そんな機会多分ないと思うけど、トールキンのお墓でお孫さんに遭遇したこともあったし、もしかしたらいつか・・・???なーんて(笑)
しかし、正直なところ、北極グマの書いたところの訳、瀬田貞二さんが訳してくれてたらなあ・・・とちょっと思ってしまいました(汗)
絵本版で訳されていたところはそのままでしたけど。「いわんといて」なんて急に関西弁?なところもそのままでしたね(笑)
北極グマの口調(というか文だけど)が時々ゴクリっぽい気がするんですが・・・(笑)
そうそう、タイトルが「ファーザー・クリスマス」なのに、本文では「サンタさん」なのも不思議な気が。タイトル「サンタ・クロースからの手紙」のままでも良かった気もしますね。
そんなこんなで、まあ絵に関しては決定版とは言えないのですが、全ての手紙を日本語で読めるようになったことはやはりとても嬉しいです。
またそのうち睡眠不足でない時にもう一度通して読みたいです(汗)