珍しく地元のシネコンでやってたのに、グズグズしてたら終わってしまい、あまつさえ終了ギリギリで見ることに・・・
どうしても見ておきたかったので、頑張って?行って来ました。
日本の医療保険制度が、アメリカに近づいて行っていると思われる今日このごろ、その行き着く先を見ておかなければ・・・ということで。日本人としては見ておくべき映画なのではないかと思ったのです。
マイケル・ムーアの映画は、自分の主張に都合の良い事実だけを扱っている、とよく言われていますが、今回はそのあたりを「なるほどね~」と実感しました。
カナダやイギリス、フランスの国民皆保険制度を讃え、医療も生活も天国のようだ、と言っていましたが、さすがに「そんないいことばかりじゃないでしょ」と私でもわかる・・・(汗)
それに、映画の中で、アメリカの政治家たちがカナダの国民皆保険制度について言っていたデメリット、手術するのに何ヶ月も待つとか、保険収入が低いため、医療の質が落ちるとかいうのは、多分事実です。
カナダのことは知りませんが、イギリス在住の方によると、イギリスでは実際そのような状況らしいです。病院に通うことになったら日本でかかった方がいい、とも言ってました。
ちょっと前に「シッコ」を見た何人かの識者の感想が乗っていた新聞の記事によると、保険収入が低いために優秀な医師が海外に流出し、外国人医師に頼っている状況もあるのだとか。
そのあたりのマイナス面を全く出さずにただ国民皆保険制度を賛美しているのはどうなのかなあ・・・とさすがに見ていて思いました。
イギリスにも洗剤やお菓子も売っているドラッグストアはありますしね・・・。余談ですが。
こうなると、アメリカの保健医療の問題も、事実は事実なんだろうけれど、どこまで一般的な話なのか・・・というのが気になるところですが、たまたま「シッコ」の感想を書いていたブロガーの方でアメリカに住んでいたという人が、実際そのような状態らしいということを書いていたのを読みました。
その方は、自分は大きな病気にかからなかったから良かったけれど・・・と書いてました。大部分の大きな病気をしない人は普通に暮らしていけるけれど、一度大病を患ったら破産しかねない、それどころか有効な治療が受けられなくて助からない可能性もある、そんな状態にあるんですね、アメリカの保険医療制度は・・・
うちの父なんかしょっ中入院したり手術したりしているので、アメリカに住んでたらとっくに破産していると思われます・・・(汗)それを思うとゾッとしますね。
マイケル・ムーアが訴えたかったのは、このアメリカの医療制度の異常さであって、カナダやイギリスやフランスをことさらに賛美するのも、アメリカ人に自分たちのおかれている状況の異常さを知らしめるための強調なんですよね。そう思ってみればまあわからないでもないかな・・・と思いました。
でも、完全有給の病欠で3ヶ月も南仏でバカンスなんて、税金の無駄遣いにしか思えないんですけど・・・
キューバで治療を受ける話も、税金を払っていない外国人が、その国の税金で補助されている医療をタダで受けるのもどうかなあ、と思いましたけど・・・
まあこれも、アメリカの医療制度を変えたいという思いからのアピールだと思うので、あの映画の中ではまあいいかな、とは思いますが。
映画としての面白さとしては、「華氏911」ほどのインパクトはなかったかな、と思いました。
多分、今回の話は、やはりアメリカ人やアメリカに住む人に限定された問題なので、「日本もああなる日が来るかも」とは思いながらも、まだまだ他人事として見られてしまったからなのかもしれません。
あと、やはりイギリスやフランスの暮らしを必要以上に賛美していたのがどうも白々しくて・・・。これもアメリカ人向けに作っているのだから仕方ないのかもしれませんが。
しかし、「グァンタナモ基地で無料で医療を受けさせてもらおう」ボートツアーに、医療を受けられなくて苦しむ人々を乗せて出発してしまうあたりの展開は、痛快ながらもどこか暖かさを孕んでいて、このあたりがマイケル・ムーアの真骨頂かな、と思いました。
全体的にもうちょっとこういう展開があったら映画として面白いと思ったのでしょうが・・・
アメリカの医療制度の問題点を提起する、という意味では、今まで知らなかった事実を色々と知ることができて、面白かったです。
国民皆保険制度が「社会主義的」としてアレルギーのように敬遠されていたという事実も、「へえ、そうなんだ」と思いました。
でも多分、社会主義アレルギーが原因というよりは、保険会社の圧力というか金の力が、社会主義アレルギーを建前にしているだけなんじゃないか、と感じましたが・・・。
だいたい、国家に医療が統制されるのを恐れている割には、保険会社に医療が支配されているじゃないか・・・
資本主義の究極の行き着く先を見せられたように思いました。何事も「過ぎたるは及ばざるがごとし」ですね・・・
こんな医療制度の国、怖くて住みたいと思えませんが、それでもたくさんの人がアメリカに住みたがっているという事実・・・。自分だけは病気をしない、と思えるんでしょうか。父の様子を見ていると、私はとてもそんな自信は持てません・・・
日本もアメリカ型の保険制度に変わって行きつつある、と言われています。
健康保険料もどんどん上がってますしね・・・。今の時点ですら、保険料が払えなくて病院に行けない人が増えて来ているのに、これ以上アメリカに近づいたらどうなるんでしょうか。
日本がアメリカに倣おうとしているのは、財政上の問題かと思っていたんですが、先に書いた識者の「シッコ」の感想の中で書いてあったことによると、アメリカが日本に医療保険の市場を開くように要求しているという側面もあるとか・・・。
思わず「ふざけんな~! うちはあんたらの植民地か!」と思ってしまいました・・・
日本はこのままアメリカに尻尾を振って、右へ倣えでアメリカ型保険制度に進んで行ってしまうのでしょうか。
そんなのはやっぱりとんでもないとこで、それがどれだけとんでもないことなのか、ということを知ることが出来た意味でも、見ることができて良かったとおもいます。やはり日本人はぜひ一度見てみるべき映画ですね。ってもう終わるけど・・・(汗)
そうそう、BGMに、「レモニー・スニケットの世にも不幸な物語」のサントラが何曲か使われていてびっくりしました。「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」のサントラも使われてたような・・・。
コミカルで不気味な雰囲気が、なるほどこの映画に合ってるのかも、と思いました。
あと、保険会社の保険加入拒否の対象になる既往症のリストをスターウォーズのオープニング風に流していたのがウケました(笑)
てなわけで今年見た映画の順位
1.恋愛睡眠のすすめ / 2.ディパーテッド / 3.それでもボクはやってない / 4.パリ、ジュテーム / 5.ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 /6.300 / 7.拍手する時に去れ / 8.魔笛 / 9.ストリングス / 10.バベル / 11.マリー・アントワネット / 12.ボビー / 13.シッコ / 14.墨攻 / 15.トランスフォーマー / 16.あるスキャンダルの覚え書き / 17.ハッピーフィート
そんなに悪くなかったし、内容は面白かったのですが、映画としての面白さという点を考えてこの順位にしてみました。
どうしても見ておきたかったので、頑張って?行って来ました。
日本の医療保険制度が、アメリカに近づいて行っていると思われる今日このごろ、その行き着く先を見ておかなければ・・・ということで。日本人としては見ておくべき映画なのではないかと思ったのです。
マイケル・ムーアの映画は、自分の主張に都合の良い事実だけを扱っている、とよく言われていますが、今回はそのあたりを「なるほどね~」と実感しました。
カナダやイギリス、フランスの国民皆保険制度を讃え、医療も生活も天国のようだ、と言っていましたが、さすがに「そんないいことばかりじゃないでしょ」と私でもわかる・・・(汗)
それに、映画の中で、アメリカの政治家たちがカナダの国民皆保険制度について言っていたデメリット、手術するのに何ヶ月も待つとか、保険収入が低いため、医療の質が落ちるとかいうのは、多分事実です。
カナダのことは知りませんが、イギリス在住の方によると、イギリスでは実際そのような状況らしいです。病院に通うことになったら日本でかかった方がいい、とも言ってました。
ちょっと前に「シッコ」を見た何人かの識者の感想が乗っていた新聞の記事によると、保険収入が低いために優秀な医師が海外に流出し、外国人医師に頼っている状況もあるのだとか。
そのあたりのマイナス面を全く出さずにただ国民皆保険制度を賛美しているのはどうなのかなあ・・・とさすがに見ていて思いました。
イギリスにも洗剤やお菓子も売っているドラッグストアはありますしね・・・。余談ですが。
こうなると、アメリカの保健医療の問題も、事実は事実なんだろうけれど、どこまで一般的な話なのか・・・というのが気になるところですが、たまたま「シッコ」の感想を書いていたブロガーの方でアメリカに住んでいたという人が、実際そのような状態らしいということを書いていたのを読みました。
その方は、自分は大きな病気にかからなかったから良かったけれど・・・と書いてました。大部分の大きな病気をしない人は普通に暮らしていけるけれど、一度大病を患ったら破産しかねない、それどころか有効な治療が受けられなくて助からない可能性もある、そんな状態にあるんですね、アメリカの保険医療制度は・・・
うちの父なんかしょっ中入院したり手術したりしているので、アメリカに住んでたらとっくに破産していると思われます・・・(汗)それを思うとゾッとしますね。
マイケル・ムーアが訴えたかったのは、このアメリカの医療制度の異常さであって、カナダやイギリスやフランスをことさらに賛美するのも、アメリカ人に自分たちのおかれている状況の異常さを知らしめるための強調なんですよね。そう思ってみればまあわからないでもないかな・・・と思いました。
でも、完全有給の病欠で3ヶ月も南仏でバカンスなんて、税金の無駄遣いにしか思えないんですけど・・・
キューバで治療を受ける話も、税金を払っていない外国人が、その国の税金で補助されている医療をタダで受けるのもどうかなあ、と思いましたけど・・・
まあこれも、アメリカの医療制度を変えたいという思いからのアピールだと思うので、あの映画の中ではまあいいかな、とは思いますが。
映画としての面白さとしては、「華氏911」ほどのインパクトはなかったかな、と思いました。
多分、今回の話は、やはりアメリカ人やアメリカに住む人に限定された問題なので、「日本もああなる日が来るかも」とは思いながらも、まだまだ他人事として見られてしまったからなのかもしれません。
あと、やはりイギリスやフランスの暮らしを必要以上に賛美していたのがどうも白々しくて・・・。これもアメリカ人向けに作っているのだから仕方ないのかもしれませんが。
しかし、「グァンタナモ基地で無料で医療を受けさせてもらおう」ボートツアーに、医療を受けられなくて苦しむ人々を乗せて出発してしまうあたりの展開は、痛快ながらもどこか暖かさを孕んでいて、このあたりがマイケル・ムーアの真骨頂かな、と思いました。
全体的にもうちょっとこういう展開があったら映画として面白いと思ったのでしょうが・・・
アメリカの医療制度の問題点を提起する、という意味では、今まで知らなかった事実を色々と知ることができて、面白かったです。
国民皆保険制度が「社会主義的」としてアレルギーのように敬遠されていたという事実も、「へえ、そうなんだ」と思いました。
でも多分、社会主義アレルギーが原因というよりは、保険会社の圧力というか金の力が、社会主義アレルギーを建前にしているだけなんじゃないか、と感じましたが・・・。
だいたい、国家に医療が統制されるのを恐れている割には、保険会社に医療が支配されているじゃないか・・・
資本主義の究極の行き着く先を見せられたように思いました。何事も「過ぎたるは及ばざるがごとし」ですね・・・
こんな医療制度の国、怖くて住みたいと思えませんが、それでもたくさんの人がアメリカに住みたがっているという事実・・・。自分だけは病気をしない、と思えるんでしょうか。父の様子を見ていると、私はとてもそんな自信は持てません・・・
日本もアメリカ型の保険制度に変わって行きつつある、と言われています。
健康保険料もどんどん上がってますしね・・・。今の時点ですら、保険料が払えなくて病院に行けない人が増えて来ているのに、これ以上アメリカに近づいたらどうなるんでしょうか。
日本がアメリカに倣おうとしているのは、財政上の問題かと思っていたんですが、先に書いた識者の「シッコ」の感想の中で書いてあったことによると、アメリカが日本に医療保険の市場を開くように要求しているという側面もあるとか・・・。
思わず「ふざけんな~! うちはあんたらの植民地か!」と思ってしまいました・・・
日本はこのままアメリカに尻尾を振って、右へ倣えでアメリカ型保険制度に進んで行ってしまうのでしょうか。
そんなのはやっぱりとんでもないとこで、それがどれだけとんでもないことなのか、ということを知ることが出来た意味でも、見ることができて良かったとおもいます。やはり日本人はぜひ一度見てみるべき映画ですね。ってもう終わるけど・・・(汗)
そうそう、BGMに、「レモニー・スニケットの世にも不幸な物語」のサントラが何曲か使われていてびっくりしました。「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」のサントラも使われてたような・・・。
コミカルで不気味な雰囲気が、なるほどこの映画に合ってるのかも、と思いました。
あと、保険会社の保険加入拒否の対象になる既往症のリストをスターウォーズのオープニング風に流していたのがウケました(笑)
てなわけで今年見た映画の順位
1.恋愛睡眠のすすめ / 2.ディパーテッド / 3.それでもボクはやってない / 4.パリ、ジュテーム / 5.ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 /6.300 / 7.拍手する時に去れ / 8.魔笛 / 9.ストリングス / 10.バベル / 11.マリー・アントワネット / 12.ボビー / 13.シッコ / 14.墨攻 / 15.トランスフォーマー / 16.あるスキャンダルの覚え書き / 17.ハッピーフィート
そんなに悪くなかったし、内容は面白かったのですが、映画としての面白さという点を考えてこの順位にしてみました。