ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

エリザベート

2005年09月24日 | ミュージカル・演劇
昨日今日と2日連続で観てきました。いや、井上ルドルフと石川フランツで抽選申し込んだら、たまたまこの2日で取れたんで・・・(汗)
トートは上手い具合に二人とも観られました。
まずは全体的な感想ですが、昨年も見たけれど、新演出よりやっぱり前の方がいいなーと。振り付けがどうもあんまり・・・なんですよね(汗)前の振り付けはダンスだけでも観る価値ある、と思ったものですが。結婚式のシーンとかすごい好きだったんですけどね。
「私が踊るとき」や、シーンが増えたところは良かったんですけど。
キャストが皆グレードアップしているので、余計に残念でした。

まず内野トートだったんですが、いやー歌うまくなりましたよねえ。いや、まだまだなところも多々ありましたが、スタートを思えば随分進歩したもんだなあと。
でも、ジャベールよりはやっぱり難しいんだなというのはわかりましたが。
このくらいになると、演技面やルックス面で(笑)内野トートの方が良いなあとか思ってしまうようになるのですが。
フランツは、昨年よりも大分脇役として控えめになってるな、と思いました。
フランツってひどい役だよなあと、昨年禅さんが参加して初めて気がついたものです(汗)いいところですぐ退場させられちゃって(笑)
初演の鈴木綜馬さんは完璧に脇役として演じ切っていたなあと後から感心しました(笑)
でも、ところどころで禅さんらしい優しい役の解釈をしていたのが良かったなあと。
そうそう、エリザベートがハンガリーで三色旗のドレスを着ていたこと、昔はフランツも知らなくてエリザベートの独断か、みたいな感じでしたが、今回見ていたら、フランツも承知の上で、「狙撃があったのに大丈夫か」と見守ってる感じだったので良かったです。エリザベートコールにも満足そうでしたし。
歌も良かったです。本当に危なげないですよね。エコーもかかってないし、割と音も下げられ気味なので(エリザペートと被る時は特に(汗))かえって生声に近い声が聴けて良かったです。
「夜のボート」や「悪夢」の感情の入り振りが禅さんらしくていいなあと思います。
ピンチヒッターゾフィーの寿ひずるさんはすごい迫力で良かったです。
そして、井上ルドルフなのですが、演技上手くなったなあ、と思いました。今と比べると、前は演技じゃなかったな、と思うくらいに。
自殺する前とか、「ママも僕を見捨てるんだね」のあたりとか、間を取った演技がとても様になってて、成長したなあ、大人になったなあ、という感じでしたね。
しかし、初演の頃の勢いというか、輝きというか、そういうものはなくなってましたね~。無理もないと思いますが・・・
正直なところ、モーツァルトほど役に入り込めてないでしょ、という感じでした(汗)無理もないなあとは思いますが・・・
そうそう、新しく増えたルドルフのダンスシーン、どうかなーと思ったらやっぱり結構笑えました・・・(汗)いや、あれは振り付けが悪いと思うんですけどね~(汗)
それから、トートとのキスシーン、内野トートはやけに長かったんですが・・・(汗)なかなかピストルを渡さないで、ルドルフも手を添えちゃったりして、妙に官能的???になってました。
あれー、こういう演出になったのかな、と思ったんですが、山口トートでは結構すぐにピストル渡してたんですよね。うーん、内野トートだけなのか・・・?
それから、以前はアンサンブルとしても出てたと思うんですが、今回は本当にルドルフしかやってなかったですね。
昨年のルドルフもそうだったかなあ? ちょっと記憶にないんですが・・・もしかして時間がなくて今回は井上ルドルフだけアンサンブルに参加しなかったとかでしょうか?

二日目の山口トートは、やっぱり歌上手いですねえ。というか、声量があるということなんですが・・・歌い方としては私の好みから言うと微妙なんですけど。あんまりロックしてないし・・・(汗)
でも、やっぱり安心して聞いてられますよね。「私が踊るとき」なんて、トートが上手いと曲全体が良くなりますねえ。
ただ、彼のトートはよくわかりません(爆)死神だからそれでいいのかもしれないけど・・・
そして、時折見せる奇天烈な振り?というか動きが・・・面白すぎです(爆)
「最後のダンス」とか、観ないようにしてたのに・・・見てしまう(笑)
「それがいい、エリザベート」なんか、もう確信犯でやってますよね。前よりも更にグレードアップしていたので、本当に噴出しそうになってしまいましただ(汗)
そんな愉快なトートと一緒のエリザベートですが、2日目がとてもよかったです。1日目も良かったけれど、2日目は本当に見ていてかなり心を揺さぶられました。「私だけに」や精神病院の場面や、ルドルフの葬儀の場面など、久々に泣けました。
2日目の方が舞台が多少近かったせいかもしれませんが・・・(と言っても2階席ですが)
昔、最初に見た時には、ルドルフだけが役に入ってホンモノに見えたものですが、今はエリザベートが一番役に入っていますね。歌の技術的には不安定なところもあるけれど、あれだけ気持ちの入った演技を見せられたら、何も文句は言えませんね。歌えたって気持ちが入ってなかったら全然感動できませんから。
最初の方の若い頃も、観るたびに良くなっていると思います。まだまだ厳しい部分はあるかもしれませんが(汗)でも「私だけに」以降が素晴らしいから何も文句は以下同文(笑)

とまあキャストはかなり良かったんですが、やはり新演出と新振り付けになじめない・・・
正直なところ、今は「モーツァルト!」の方が好きですね。音楽も「モーツァルト!」の方が良いし・・・
昨年見た時も思いましたが、そろそろエリザベートも卒業かな・・・
まあ、また東京でやる時には、1回くらいは見てしまうと思いますが。
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原作読書:「王の帰還」序文と烽火とデネソールのこと

2005年09月24日 | 指輪物語&トールキン
22日はビルボとフロドの誕生日でしたね・・・日記書くまで覚えてたのに、すっかり書くの忘れてました(汗)
遅ればせですが、こっそり(汗)おめでとう。

原作読書はいよいよ「王の帰還」に入りました。
序文を読んでいて不思議な気持ちになりました。いままでのあらすじが書いてあるのですが、なんだかとても同じ話とは思えなくて・・・(汗)
出来事だけを追って行くと、まるで英雄物語か神話のようですね。ホビットの素朴さとか、そういうもが一切抜け落ちてしまいますから。
なるほど、この「指輪戦争」の物語は、後世に語られるにつれてこんな印象になってしまうんだろうなあ、なんて思いました。
そう思うと、「シルマリルの物語」などは、もう少し詳しく書いてあるとは言え、やはり「あらすじ」の域にあるものだなあと思ったりして。
「終わらざりし物語」で少し書かれていますが、「シルマリル」ももっと詳しく物語風に書かれていたら、もっと面白かったんだろうなあと思ってしまいます。
それにしても、「サウロンとガンダルフの虚虚実実のかけひき」なんてことが書いてあって、そうだよなあと思いました。
ガンダルフがサウロンの目を欺くために苦心していたのですよね。指輪の行方を知られないようにと。それに対して黒門前ではサウロンの口がミスリルの鎖帷子と剣を見せることでガンダルフを騙そうとしていたわけだし。
そのあたりが、映画ではなんだか勇気と友情の根性論みたいな戦いになってしまったのが残念です。もっとガンダルフの知性が観たかったです・・・

本編に入ってまず気がついたのは、ピピンとガンダルフが馬上から烽火を見る場面です。ここ、ピピンが最初に炎を見つけるけれど、後はガンダルフの言葉の中で、次々に烽火がある山の名前が言われるだけなんですが、もしかして馬上でどんどんのろしが点るところを観ていたのでしょうか? そうならかなりカッコイイ場面だと思うんですが・・・
実は私、映画を観るまで烽火のことほとんど覚えてなくて(汗)ずっと、既に烽火が点っているところを見ていたのかと思いましたが、もしかして、どんどん火が点いている場面だったんですかねえ。
情景描写に優れているトールキンが、この美しい光景を全然描写していないのはなんだか不思議な気がします。(既に烽火が点っていたのだとしても)
映画の烽火の場面は、確かに感動的な映像に仕上げていたかもしれませんね。ちょっとやり過ぎな面もありますが・・・(笑)ピピンが烽火を点けちゃうというあたりも含めて(汗)

そしてミナス・ティリスに入るガンダルフたちですが、なんだか最上層の城塞には馬は入れないとか書いてあるんですが・・・映画では堂々と芝生のとこまで乗り付けてましたけど~(汗)
で、いよいよデネソール登場なんですが、やっぱりこの時点でデネソールはまだまだ全然正気ですよね。少しずつ蝕まれていたにしろ、まだまだ判断力もしっかりしている様子です。
なんだかラジオドラマが映画と似た感じのデネソールだったので、自分の読み違いかとあせってしまいました(笑)
デネソールは正気なばかりか、鋭い洞察力も見せています。
デネソールがピピンの目を見ることでかなりのことを読み取ったというあたり、ファラミアと同じ力を持っているんだなあと改めて思いました。映画ではなぜかボロミアがデネソールに似ているということになっていたけれど、もともとデネソールと似ていたのはファラミアでしたよね。
ピピンの印象でも、ガンダルフと同じような(表面的にはですが)偉大さ、アラゴルンに似たところを感じています。
こんなデネソールをあんな分かり易いキャラクターにしちゃった映画って、やっぱりうーむ、ですが・・・(汗)
今回は、デネソールとピピンの関係について気をつけて読もうと思ってるんですが、ピピンがデネソールに忠誠を誓った時、デネソールの表情に「それとかすかにわかる程度の微笑」が一瞬現れた、という記述があったんですね~。
ほんのわずかながら、ピピンの行動に心を動かされたデネソールの様子に、なぜかほろっとしてしまいました。初読時には考えられないくらい、今ではデネソールのことが好きになっているようです(笑)
ピピンを挟んでのデネソールとガンダルフのにらみ合い?に疲れてしまってはいても、ホビットらしい快活さは失っていないピピンもかわいいですね。ガンダルフとピピンのやりとりはやはりいいです。
そして、なんだか知らないけど王子様にされてしまうあたり、ピピンらしいですよねなんか(笑)メリーやサムではなさそうな展開(笑)
ピピンもまた、サムやメリーとは違ったやり方で、ホビットらしさで周囲を動かしているなあと思いました。
旅の仲間にホビットが4人て、数だけ見ていると多すぎるような気がしますが、どうしてどうして、一人一人に重要な役割が割り当てられていることに感心してしまいます。やっぱりこの物語は「小さい人たちが見たこと」なんだなあと。
ところで、映画ではRotK SEEでピピンがファラミアに言っていた「身長はもう伸びそうにないけど、横には伸びるかも」という台詞、ベレギアに言っていたんですね。全然違うシチュエーションなんで気がつきませんでした。
コメント (2)
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