ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

トーマス・マンが通ったギムナジウム

2005年09月09日 | 旅行
これはトーマス・マン兄弟、そしておそらく父親たちも通った、教会付属のギムナジウムです。
「ブッデンブローク家の人々」に出てきたギムナジウムももちろんここのことでしょうし、「魔の山」でハンス・カストルプが通っていたギムナジウムも、設定上ではハンプルクですが、トーマス・マン自身が通ったこのギムナジウムがモデルになっているのではないかと思います。
しかし、「ブッデンブローク-」によると、校庭が通りに面していたようですが、現在はとおりに面しているのはこの写真の入り口と、扉がある壁のみで、校庭は一切見えません。その後改築されてしまったんでしょうね。
夏休みで誰もいないのかなと思ってましたが、後日昼間に通りかかったら、結構高校生が出て来ていてびっくりでした。
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ファラミアのホビットへの優しさ

2005年09月09日 | 指輪物語&トールキン
前回の話から膨らんで? 今日はファラミアのホビットに対する優しさについてです。
あ、原作での話になりますのであしからず。(映画だとちょっと違うんで・・・)
ホビットに優しい人間筆頭と言えばアラゴルンだと思います(笑)アラゴルンはもう、ブリー村で登場した時からホビットにとても優しかったですよね。一緒に旅する間も、アイゼンガルドやゴンドールで再会した時も、アラゴルンのホビットたちに対する、親しみと敬意のこもった優しさにはじーんとさせられます。
一方で、ファラミアはフロドとサムと出会ったときも、とても礼儀正しいですが、どこかよそよそしさを感じます。アラゴルンのように相好崩して(?)ホビットに甘いということはありませんでした。
最初に読んだ時は、そのファラミアの態度に冷たさを感じたものですが、だからこそフロドとサムに対する「そなたたちの故郷は満ち足りた平和や国土に違いない。そしてそこでは庭師は非常に重んじられているに違いない」という台詞には鳥肌が立つくらいの衝撃と感動を覚えたものです。
考えてみれば、長くホビット庄の警護を勤め、ビルボとの親交もあったアラゴルンと比べ、ホビットはおろかエルフも見たことがなかったファラミアにとって、自分の世界に入り込んできたこの小さい人たちに、いきなり心を許して和むことはあり得ないことだったかもしれません。
・・・いや、セオデンは初対面でいきなり和んでたなあ(汗)そのあたりは、ファラミアの置かれていた厳しい状況の違いもあったかもしれません。全てをふっきったセオデンと、厳しい戦いの中で父親との不和に悩み、心を暗黒に囚われつつあったファラミアとの。これはデネソールにも通じるかなあ。
でもとにかく、そのファラミアが、高潔ではあるけれど相好を崩さない、あくまでもゴンドールの大将としての立場を崩さない態度のまま、フロドの高潔さ、そして何よりもサムのことを賞賛してくれた、ということにとても感動したのでした。
最初はホビットがファラミアに認められたことが嬉しかったのですが、そのうちに、ファラミアはホビットの生き方に憧れるような気持ちがあったのではないか、なんて思うようになりました。かなり自分に引き寄せた解釈かもしれませんが(汗)
長い間モルドールとの緊張状態が続いていた祖国で、当然のように祖国を守るために戦いの指揮を取ってきたファラミアにとって、ホビットは、自分が決してなることはできない、けれども本当はそんな風に生きられたら、と思わせるような存在だったのかな、と。
この、「自分が決してなることはできない」というのには、「なることができない」というだけでなく、ゴンドール人としての誇りもあるかな、とも思います。ホビットに敬意を抱きながらも、自分はゴンドール人でないことは考えられない、というような。そのあたりが、アラゴルンやセオデンよりもどことなくよそよそしさがある態度にも繋がっているような気がします。このあたりは、やはりデネソールとも共通するような気がしますね。
ゴンドール人でもボロミアはホビットに相好崩して優しかったじゃん、と思うあなたは映画のみすぎです(笑)原作のボロミアは、ホビットに対してとても礼儀正しく親切だったけれど、相好崩して甘いまでではありませんでした。
これは映画とも共通すると思いますが、ボロミアのホビットへの優しさは、単純に自分よりも弱いものに対する騎士道的な親切心なんだと思います。(映画のボロミアは加えて子供好きなのかもしれないけど(笑))
そういう意味では、ホビットの生き方に敬意を払い、ホビットの真価を理解したファラミアの方が、本当の意味でホビットに優しいのだと思います。デネソールもそういう点ではむしろボロミアよりファラミアに近いのではないかと思いますね。
いや、私はボロミアの優しさも好きですので、念のため。
話がちょっと逸れましたが(汗)そんなファラミアの、ちょっと距離をおいたホビットへの態度も、そんなことを考えながら読んでいると、むしろ「自分とは異なる存在としてのホビットを認め賞賛している」という事実に、そのまんま優しいアラゴルンやセオデンよりも感動するかなあ、なんて思えて来るのでした。
なーんて言って、やっぱりアラゴルンやセオデンの理屈抜きの優しさを読むと、いいなあ~と思ってしまうんですけどね(笑)「そうだよ、馳夫だよ、サム。ブリー村からの道は長かったねえ?」なんて言われた日には・・・(笑)
執政家とは比べ物にならないくらい濃いヌメノールの血筋だという意味ではファラミアやデネソールよりももっと誇り高くていいはずなのに、ホビットに対してあんなにフランクで優しいアラゴルン。野伏としての経験ももちろんあると思いますが、やっぱりすごい王様だなあと思いますね。
(ファラミアの話だったのにアラゴルンで締めてしまった・・・(汗))
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