ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

原作読書:「王の帰還」序文と烽火とデネソールのこと

2005年09月24日 | 指輪物語&トールキン
22日はビルボとフロドの誕生日でしたね・・・日記書くまで覚えてたのに、すっかり書くの忘れてました(汗)
遅ればせですが、こっそり(汗)おめでとう。

原作読書はいよいよ「王の帰還」に入りました。
序文を読んでいて不思議な気持ちになりました。いままでのあらすじが書いてあるのですが、なんだかとても同じ話とは思えなくて・・・(汗)
出来事だけを追って行くと、まるで英雄物語か神話のようですね。ホビットの素朴さとか、そういうもが一切抜け落ちてしまいますから。
なるほど、この「指輪戦争」の物語は、後世に語られるにつれてこんな印象になってしまうんだろうなあ、なんて思いました。
そう思うと、「シルマリルの物語」などは、もう少し詳しく書いてあるとは言え、やはり「あらすじ」の域にあるものだなあと思ったりして。
「終わらざりし物語」で少し書かれていますが、「シルマリル」ももっと詳しく物語風に書かれていたら、もっと面白かったんだろうなあと思ってしまいます。
それにしても、「サウロンとガンダルフの虚虚実実のかけひき」なんてことが書いてあって、そうだよなあと思いました。
ガンダルフがサウロンの目を欺くために苦心していたのですよね。指輪の行方を知られないようにと。それに対して黒門前ではサウロンの口がミスリルの鎖帷子と剣を見せることでガンダルフを騙そうとしていたわけだし。
そのあたりが、映画ではなんだか勇気と友情の根性論みたいな戦いになってしまったのが残念です。もっとガンダルフの知性が観たかったです・・・

本編に入ってまず気がついたのは、ピピンとガンダルフが馬上から烽火を見る場面です。ここ、ピピンが最初に炎を見つけるけれど、後はガンダルフの言葉の中で、次々に烽火がある山の名前が言われるだけなんですが、もしかして馬上でどんどんのろしが点るところを観ていたのでしょうか? そうならかなりカッコイイ場面だと思うんですが・・・
実は私、映画を観るまで烽火のことほとんど覚えてなくて(汗)ずっと、既に烽火が点っているところを見ていたのかと思いましたが、もしかして、どんどん火が点いている場面だったんですかねえ。
情景描写に優れているトールキンが、この美しい光景を全然描写していないのはなんだか不思議な気がします。(既に烽火が点っていたのだとしても)
映画の烽火の場面は、確かに感動的な映像に仕上げていたかもしれませんね。ちょっとやり過ぎな面もありますが・・・(笑)ピピンが烽火を点けちゃうというあたりも含めて(汗)

そしてミナス・ティリスに入るガンダルフたちですが、なんだか最上層の城塞には馬は入れないとか書いてあるんですが・・・映画では堂々と芝生のとこまで乗り付けてましたけど~(汗)
で、いよいよデネソール登場なんですが、やっぱりこの時点でデネソールはまだまだ全然正気ですよね。少しずつ蝕まれていたにしろ、まだまだ判断力もしっかりしている様子です。
なんだかラジオドラマが映画と似た感じのデネソールだったので、自分の読み違いかとあせってしまいました(笑)
デネソールは正気なばかりか、鋭い洞察力も見せています。
デネソールがピピンの目を見ることでかなりのことを読み取ったというあたり、ファラミアと同じ力を持っているんだなあと改めて思いました。映画ではなぜかボロミアがデネソールに似ているということになっていたけれど、もともとデネソールと似ていたのはファラミアでしたよね。
ピピンの印象でも、ガンダルフと同じような(表面的にはですが)偉大さ、アラゴルンに似たところを感じています。
こんなデネソールをあんな分かり易いキャラクターにしちゃった映画って、やっぱりうーむ、ですが・・・(汗)
今回は、デネソールとピピンの関係について気をつけて読もうと思ってるんですが、ピピンがデネソールに忠誠を誓った時、デネソールの表情に「それとかすかにわかる程度の微笑」が一瞬現れた、という記述があったんですね~。
ほんのわずかながら、ピピンの行動に心を動かされたデネソールの様子に、なぜかほろっとしてしまいました。初読時には考えられないくらい、今ではデネソールのことが好きになっているようです(笑)
ピピンを挟んでのデネソールとガンダルフのにらみ合い?に疲れてしまってはいても、ホビットらしい快活さは失っていないピピンもかわいいですね。ガンダルフとピピンのやりとりはやはりいいです。
そして、なんだか知らないけど王子様にされてしまうあたり、ピピンらしいですよねなんか(笑)メリーやサムではなさそうな展開(笑)
ピピンもまた、サムやメリーとは違ったやり方で、ホビットらしさで周囲を動かしているなあと思いました。
旅の仲間にホビットが4人て、数だけ見ていると多すぎるような気がしますが、どうしてどうして、一人一人に重要な役割が割り当てられていることに感心してしまいます。やっぱりこの物語は「小さい人たちが見たこと」なんだなあと。
ところで、映画ではRotK SEEでピピンがファラミアに言っていた「身長はもう伸びそうにないけど、横には伸びるかも」という台詞、ベレギアに言っていたんですね。全然違うシチュエーションなんで気がつきませんでした。
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 空から見たリューベック | トップ | エリザベート »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
原作読書 (ちか)
2005-09-26 19:38:44
ぐらさん こんばんは!

またもや原作読書をしていらっしゃるんですね~。自分もまたやっているんですが、どうもぐらさんのように最初から最後まで通しで、○○回目とはいかないんです。映画観て、気になったところをちょっとチェック・・と思っているうちにそこから最後まで読んでしまう・・というパターンが一番多いような気がします。

で、今なぜか「旅の仲間」のあと、「追補編」にとんでいます。それは、今まで文庫版しか持っていなかったのですが、徐々に単行本も購入している、ということもあるんですよ~。同じ文章なのに、どうも単行本で読むと「味」が違う気がいたします。文庫で何度も読んでいるはずなのに・・・。

返信する
かれこれ半年読んでます・・・ (ぐら)
2005-09-28 21:44:30
いや~、実は「またもや」ではなくて、「まだ」なんですが・・・(笑)読み始めたの3月くらいなので、かれこれ半年読んでます(笑)毎回読む速度遅くなるような・・・

妙なところが律儀で、最初から続けて読まないと気がすまないんですよね。実はいつも必ず「ホビット」を読んでから本編読み始めてたりして(笑)

私も最初に読んだのは図書館のハードカバーでした。文庫とは微妙に印象が違うような気がしますね。文字が小さくて行数が多いだけでもなんとなく・・・

ここまでハマったならハードカバーも揃えてもいいんですが、絶版にはそうそうならないだろうと思うとついつい後回しになってしまいます。
返信する

コメントを投稿

指輪物語&トールキン」カテゴリの最新記事