きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

映画「おくりびと」がモントリオール・グランプリに

2009-02-25 11:23:20 | Weblog
映画「おくりびと」がモントリオール・グランプリに      (009.02.25.)

日本の映画「おくりびと」が映画の都ハリウッドで最高の栄誉を受けたことは日本の映画界に大きな足跡を残す第一歩となった。このblogでも一昨年7月に「もがりの森」(河瀬直美:監督)でカンヌ・グランプリ2席をとった時も書いたが、人間世界の中で、生と死の大切さを今回も強く訴えている。
愛とユーモアを混ぜた、多様な人間模様が展開されている傑作映画であると言う事です。

劇団が解散して職を失ったチェロ奏者小林大悟が、故郷の山形に帰りハローワークで紹介された遺体を扱う仕事に、戸惑いを感じながらも好奇心もあり、周りの反対を押し切って「人の死に向き合う」仕事に自ら飛び込んだのである。

妻の美香は「汚らしい」と言って家を出て行くが、大悟は「納棺師」と言う仕事を続けるなかで、色んな遺体とまたその遺族と接しながら、「納棺師は故人と遺族を結ぶ存在」としての誇りを持つようになり、ついには、妻美香も戻ってくると言うストーリーだ。

人間の死と言うものは、遺族や縁者にとっては、深い人間関係で結ばれているから「納棺師」による遺体の清め、化粧、装束、愛用の服の着付け、メークによる表情の整え等々、最後は参列者と共に棺に納めるので、遺体を死の世界へ送り出す飾り付けを担う崇高な仕事である。

昨年、中国で起こった四川省の大地震で、日本の救援隊が出動したが、早期の救援が出来ず生存者を救う事が出来なかったが、ガレキの下から救出した遺体に全隊員が敬礼し丁重に扱った事に、それを見た中国の市民は凄く感動を受け日本の隊員に感謝の言葉が掛けられた。
中国人は日本人を今まで、悪い民族だと教え込まれて居たらしく、この死者に対する隊員の行動は、マスコミにも取り上げられ日中友好に大きな働きを残した事を思い出す。

死者に対する、敬虔な気持は、何処の国でも持っていると思うが、この思いを「おくりびと」と言う映画の中で、全世界の人に感動を与える作品になったことは大変喜ばしい事である。
(えびなたろう)