きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

領土交渉は麻生内閣で遣る事ではない

2009-02-19 12:42:51 | Weblog
領土交渉は麻生内閣で遣る事ではない      (009.02.19.)

麻生太郎首相は、ロシアとの首脳会談で北方領土問題についてメドベージェフ大統領と会談し、「新たな、独創的で型にはまらないアプローチ」による手法で解決したいと言う提案に早速同意したと言う事である。

麻生首相は、記者団に「ロシアは2島、日本が4島、を主張していて進展がない。政治家で決断する以外に方法はない」と言っている。

日本は、「歯舞、色丹、国後、択捉の4島を返還する事を前提に、平和条約を締結したい」と言う1993年の東京宣言が基本である。
ロシア側は、平和条約締結後に歯舞、色丹、2島を返還する56年の日ソ共同宣言の有効性を認めるところまでで止まっている。

今回の「独創的で型にはまらないアプローチ」とはどの様な事を意味しているのか、明確ではありません。しかし麻生総理はその提案に同意したとの事で、日本とロシアの受け取り方では今後に大きな問題を残す事になるのではないか。

麻生総理の「2島と4島の主張のこじれ、後は政治的決着」と言う事では両者の交渉のスタート地点が、考え様によっては、日本が少し譲ったようにも取れる。

日本の立場は、あくまでも4島が日本固有の領土であり、その4島が返された上での両国の友好に基付いた協議を主張していたから、総理の発言では、メドベージェフも「組み易い人物」と思われたのかもしれない。

領土問題と言うのは、国にとっては大変重要な問題であり、国民からの信頼の薄い、と言うより信頼を全く請けたことの無い麻生内閣で、遣る事ではありません。

支持率14%、不支持率70%と言う事は、麻生内閣を支持しないと明確に表示している事であり、勝手に重要な問題を決められては困るのである。

北海道大学名誉教授:木村汎氏は今回のロシアの提案に同意した事は「歴史的汚点だ」と言っている。5月にはプーチン首相が来日する事も合意したと言うが、少なくともそれまでには、選挙を行い国民の信頼を受けた安定政権の中で、交渉を続け納得の行く解決を導き出して欲しいと思います。
(えびなたろう)