きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

同舟相救う外交を

2009-02-22 09:49:42 | Weblog
同舟相救う外交を      (009.02.22.)

オバマ政権最初のアジア外交を象徴するクリントン国務長官の東アジア4カ国歴訪の旅は終わった。

最初に日本を訪問し、インドネシア、韓国、中国、の4カ国であったが、いずれもアメリカにとって重要な国であることは間違いないが、今までのブッシュ政権と違った、対話重視の外交に転換した事を、中国の「孫子」ことわざ「同舟相救う」(川を渡るには、心を合わせてボートを漕がなくてはならない)と言う意味を引用して今後の協調姿勢を強調した。

最初に訪問した日本においては、日米同盟関係の重視と継続を再確認し麻生総理を最初の外国首脳として迎えることを約束したと言う、そしてその一方、野党の小沢一郎代表とも会談したことは、日本の国情をも配慮した気遣いの様にも思えた。

二番目に訪問したインドネシアは、オバマ大統領の少年期を過ごした国で、イスラム教徒主体の大国である。ブッシュ時代からの反米意識が強い国であるが、この国を訪問する事で、共に民主主義の共存を訴え融和的姿勢を表明したことは素晴らしい事であったと思う。

三番目の訪問は韓国で、此処では、対北朝鮮との核問題を、共に自制を求める考え方に同調する事を確認した。

最後に訪問した中国は、特に今後のアジア外交での米中関係を重要視し、ブッシュ時代に経済問題に対する定期的な閣僚級会議の枠組みを、拡大し、安全保障問題や更に気候変動問題についても定期的協議を行なう約束を交わした。

クリントン長官は、95年に北京で開かれた世界女性会議で、人権問題について、中国を批判した事があるが今回は、どの様な態度に出るか関心をもって見られていたが、長官自身が訪中の前に「人権批判は世界経済危機や気候変動、安全をめぐる議論を妨げてはならない」と述べており実務に徹した外交を優先したと言うところである。
4カ国の外交を終え、本日(22日)帰国の予定である。

オバマ新政権の対話を重視した外交は、今までの武力をバックにした力による外交とは異なり、ソフトなイメージはあるが、その一方で、同盟国として日本への期待は、厳しいものがある事を十分覚悟しなければならない。

それだけに、日本の政府も、国民からの支持率も高い安定した政権で対応しなければ、世界の信頼は得られない。麻生総理の勝手気ままな口約束を最も心配されるところである。
(えびなたろう)