WTOの交渉決裂 (008.07.31.)
世界貿易機関(WTO)の閣僚会議がカタールの首都ドーハで行なわれ、世界貿易のための国際的なルール化に全世界はある種望みを掛けた会議であった。
しかし、九分九厘合意を前にして、決裂し合意する事が出来ずに終わってしまった。
其の原因は、途上国に認められていた、農産物の輸入セーフティーガード(緊急時の輸入制限措置)に対する調停案にインド・中国が反発し、修正案が求められたが、今度はそれに米国が拒否を示したことで、纏まれなかったということです。
貿易の問題は、生産輸出する側は、出来るだけ多くを輸出したいと思うが、輸入する側は安い輸入品に押されて、自国の産業が衰退するのを恐れて、輸入関税を掛ける事で、制限しようとするから、なかなか折り合いは難しい問題だが、理想的な貿易関係は関税や補助金なしで、フリーが原則である。
日本に置いても、特に農産物に多品種、多額の関税を掛けていることは世界からは批判の的で、関税撤廃が求められている。しかし一方自動車や工業生産品は、日本の特異とするところだから、他国に対して関税の撤廃を求めている立場である。
今回もWTO会議の合意が出来れば、日本の自動車等工業製品は大量に販売する事が出来る点で、有利であったが。一方農業分野では、関税撤廃を求められる立場から合意が得られず、先延ばしされたことに、農業関係者はほっとしていると言うことです。
しかし、いずれは、日本も関税の撤廃までは行かなくても関税率の減少は当然考えておかなくてはいけない重要な問題です。
今まで、過保護にされていた農業政策が、何時までも補助金に頼っていた体質から抜けきれず、今日に来ていることを、大いに反省する時期にきた訳で、農業政策の大きな改革が求められるところである。
最近、お米にしても、日本産コシヒカリは、“おいしい“言う点で中国で、高値で売れている事を思えば自国農業の保護と言う消極的な補助金政策に頼るのではなく、積極的な高品質米を生産し他国に真似の出来ない、輸出出来るものを作れば、関税なんか無くても遣ってゆけるのではないかと思います。
その様な転換を図り、体質を変えることが、今後の農産業に求められる問題であります。
今回のWTOの会議を通じて、新興国の勢力が強くなり米国の立場は弱くなったと言う事は時代の変化を明示している。もはや大国の資質は、武力ではありません。
(えびなたろう)
世界貿易機関(WTO)の閣僚会議がカタールの首都ドーハで行なわれ、世界貿易のための国際的なルール化に全世界はある種望みを掛けた会議であった。
しかし、九分九厘合意を前にして、決裂し合意する事が出来ずに終わってしまった。
其の原因は、途上国に認められていた、農産物の輸入セーフティーガード(緊急時の輸入制限措置)に対する調停案にインド・中国が反発し、修正案が求められたが、今度はそれに米国が拒否を示したことで、纏まれなかったということです。
貿易の問題は、生産輸出する側は、出来るだけ多くを輸出したいと思うが、輸入する側は安い輸入品に押されて、自国の産業が衰退するのを恐れて、輸入関税を掛ける事で、制限しようとするから、なかなか折り合いは難しい問題だが、理想的な貿易関係は関税や補助金なしで、フリーが原則である。
日本に置いても、特に農産物に多品種、多額の関税を掛けていることは世界からは批判の的で、関税撤廃が求められている。しかし一方自動車や工業生産品は、日本の特異とするところだから、他国に対して関税の撤廃を求めている立場である。
今回もWTO会議の合意が出来れば、日本の自動車等工業製品は大量に販売する事が出来る点で、有利であったが。一方農業分野では、関税撤廃を求められる立場から合意が得られず、先延ばしされたことに、農業関係者はほっとしていると言うことです。
しかし、いずれは、日本も関税の撤廃までは行かなくても関税率の減少は当然考えておかなくてはいけない重要な問題です。
今まで、過保護にされていた農業政策が、何時までも補助金に頼っていた体質から抜けきれず、今日に来ていることを、大いに反省する時期にきた訳で、農業政策の大きな改革が求められるところである。
最近、お米にしても、日本産コシヒカリは、“おいしい“言う点で中国で、高値で売れている事を思えば自国農業の保護と言う消極的な補助金政策に頼るのではなく、積極的な高品質米を生産し他国に真似の出来ない、輸出出来るものを作れば、関税なんか無くても遣ってゆけるのではないかと思います。
その様な転換を図り、体質を変えることが、今後の農産業に求められる問題であります。
今回のWTOの会議を通じて、新興国の勢力が強くなり米国の立場は弱くなったと言う事は時代の変化を明示している。もはや大国の資質は、武力ではありません。
(えびなたろう)