ケイの読書日記

個人が書く書評

津村記久子 「枕元の本棚」 実業之日本社

2018-07-06 15:26:51 | 津村記久子
 私は、自分の好きな作家さんが、どんな本を読んでいるのかすごく興味があるし、未読だったらその本を読んでみたいと思っているので、こういった読書エッセイを楽しみにしている。

 しかし、その点でいうなら、この本はちょっと予想がハズレたみたい。確かに読んだ本の紹介ではあるのだが…津村さんって辞典や事典、それに図鑑が好きな人なんだ。
 確かにそういう人いるよね。私の友達にも、ヒマだと事典や辞書を適当に開いて、そのページを読むのが好きっていう人がいた。津村さんは、まさしくそういう人。でも、私はあまりやらなかったなぁ。自分の育った家庭に百科事典が無かったせいかもしれない。
 だから、あ、津村さんがこの事典を見てる。私も見よっと!とはならない。残念。

 それと、スポーツの本を好きでたくさん読んでいるのに驚かされる。それも大相撲とか野球とか(ベースボールではない)日本のサッカーではなく、欧州サッカーやツール・ド・フランスといった自転車競技。
 津村さんは出身が大阪なので、野球は身近だったはずだが、出てこないね。そういえば以前読んだ『ウエストウィング』(だったと思う)に、少年野球チームのコーチをやっているいけ好かないオッサンが出てきたが、何か嫌な思い出でもあるのかもしれない。

 サッカー好きな女性は、今では珍しくもなんともないが、ツール・ド・フランス好きという女性は少ないと思う。自転車競技はヨーロッパではすごく人気があるらしいが、日本ではあまり馴染みがない。私の印象では、すごくドーピングと親和性が高い(失礼!!)スポーツだと思う。
 そうそう、フィギアスケートも好きなんだ。津村さん。なんてったってキレイだから、大好きな人は多いが、津村さんは、羽生選手とかプルシェンコとか浅田真央ちゃんといったメジャーな人だけじゃなく、全く無名の外国人選手にも熱を上げるので、すごいと思う。この熱量はいったいどこから来るんだろう。

 津村さんには『パリローチェのファン・カルロス・モリーナ』という小説があって、これにはアルゼンチンの顔の濃い男性フィギアスケート選手がでてくる。どうなんだろう。メジャー選手ではなくマイナー選手好きというのは、ダイアモンドの原石好きって事なんだろうか?
 でも、このファン・カルロス・モリーナは、最後まで輝かなかったけど。

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