ケイの読書日記

個人が書く書評

平安寿子「幸せになっちゃ、おしまい」

2012-05-03 10:22:37 | Weblog
 平安寿子さんの小説は、以前「風に顔を上げて」を読んだ事があり、不安定な立場の若い女性の心理をよく書けていて秀作だと思った。
 今度読んだのは、エッセイ集。

 『Hanako』2007年3月~2008年5月に連載されていたエッセイを加筆、修正したものらしい。『Hanako』って雑誌、まだあるんだね。ちょっとビックリ!
 一度も手に取った事は無いが、バブル期にさかんに読まれていた雑誌じゃなかったっけ? 『Hanako族』なんていう言葉もあった。

 仕事も遊びもファッションも一歩先を行くという女性向けの雑誌だったような気がする。
 だから、このエッセイ集も、モード誌?!と見間違えるほどカッコイイ装画。


 平さんは1953年生まれ。(女性作家で生年を書いている人は珍しい)私より5才年長か。
 この年代の人って(私もそうだが)すごく強い欧米コンプレックスというか白人コンプレックスがある。

 だから、常に視線はアメリカやヨーロッパに向いている。(最近は韓国にも向いているようだが)
 エッセイ集のなかでも、取上げる話題は、洋楽や洋画ばかり。固有名詞はほとんどカタカナ。日本の固有名詞を載せると、自分の格が落ちると思ってるみたい。

 「イギリスのばあさんを目指せ」という章がある。
 イギリスの老舗デパート・リバティのレストランで、女友達とおしゃべりしているイギリスのばあさんに憧れ、自分もああいうふうになりたいって書いている。
 私もミス・マープルは大好きで憧れるが、それはキャラとして。
 生まれも育ちも人種も国籍も違う人たちになりたいと憧れてどうするの? もっと自分の身近に素晴らしい人を見つけて下さい。


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