ケイの読書日記

個人が書く書評

信田さよ子「アダルト・チルドレンという物語」

2010-01-29 16:57:58 | Weblog
 アダルト・チルドレン(AC)というのは狭義では、アルコール依存症の親を持つ家族に生まれて成長し大人になった人を意味するらしい。
 それを拡大して、アルコールだけでなくギャンブル依存や仕事依存の親もそこに含める、つまり機能不全家族の中で大きくなり生きづらさを感じている人、をACと呼ぶようになった。

 臨床心理士で原宿カウンセリングセンター所長の信田さんは、ACは主観でかまわないという。つまり自分はACだと思えばACなんだそうだ。

 しかし、そうなると全世界の人がすべてACになってしまわないか?
 だいたい、元が人間は不完全なもの。その不完全な人間が不完全な子どもを育てるんだから、不完全に育って当然。
 そうなると世界中の人が皆ACという事になり、ACは人間である証し。つまりカウンセリングの対象外…という事になると思う。


 『共依存』という言葉は『ドラえもん・のび太関係』と置き換えてもいいと思う。つまり、依存されたい人と依存したい人が強固に結びつきそこから抜け出せない。
 アルコール依存症の夫婦などに共依存という言葉はよく使われるが、一昔前は美談だった。様変わりしたものだ。
 しかし、そもそも不完全な人間が確立した個などを形成できるんだろうか?
 恋愛関係、友人関係、親子関係…まったく共依存的要素がない人間関係なんてありえないよ。

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