ケイの読書日記

個人が書く書評

島田荘司「秋好英明事件」

2010-10-03 11:09:01 | Weblog
 昭和の殺人事件というサイトを見ていたら、この『秋好英明事件』が載っていて、島田荘司がこの事件を冤罪だとして本を出している、と書かれてあった。
 そういえば、図書館の書架でそれらしい本を見たことを思い出し、早速借りて読んでみる。

 事件の概要はこうだ。

 昭和51年6月14日午前0時35分、福岡県飯塚市○○派出所に、1人の中年女性・川村富江が、血だらけで駆け込んできた。
 自分の元交際相手に、一家4人が皆殺しにされたという。

 その男・秋好はすぐに捕まり自白したので、事件は悲惨なものだが、単純だと思われた。ところが、当初は犯行を認めていた秋好が、2年経って驚くべき事を言い出す。
 殺された4人のうち1人は自分が殺したが、あとの3人は富江が殺したというのだ。


 
 うーん、島田荘司は徹頭徹尾、秋好側に立って書いているので、この本を読んでいると冤罪という事になるが…。どうなんだろうね。現場にいたわけではないので、わからないです。

 しかし、この秋好という人は、悪党とまではいかないが、かなりの生活破綻者で、ギャンブル大好き、金銭にはルーズ。その男が、いくら愛情があったとはいえ、内縁の妻の3人殺しの罪までひっかぶって、2年間も黙っていられるだろうか?
 勤めも数年どころか数週間で辞めてしまうほど、こらえ性がないのに。

 そして一番の関心事は、塀の外にいる富江。「本当は、実姉・その夫・姪を殺したのはオマエだ!」という本を有名作家が出版して、どうやって暮らしているんだろうか?
 名前を変えてひっそりと生きているんだろうか?
 まあ、感受性は強くない女の人のようだから、親戚たちに支えられ、堂々と暮らしているかもしれないが…。

 島田荘司は、彼女達から訴えられなかったのだろうか?

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