校友の集い

　どこの地方の高校にも在京同窓会があるのではないか。言い換えれば東京は故郷を離れていても校友が集う機会がある。それだけ東京には地方から人が輻輳する。

　私も東京在住の頃は、在京同窓会はもとより東北にある家郷の同期の会にも出席していた。ところが、三年前、九州に転住してから、これら案内状の出席に丸印をつけたことがない。言うまでもなく、ふるさとはおろか東京も遠い。萩原朔太郎の詩をもじれば「同窓会へ行きたしと思へども同窓会はあまりに遠し」である。
　
　ただ、幸いにもインターネットの時代である。仲間のホームページで会の様子がわかる。また掲示板で思い出話に花を咲かせることもできる。

　とは言え、杯を酌み交わして歓談できないのは寂しいものだ。一方、友人の訃報に接することが多くなった。私も元気なうちに案内通知の「出席」を○で囲みたいと思っている。これは老境の身の思いということか。