本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

警察の階級

2008-08-11 09:43:47 | Weblog
 警官の駐在所勤務は二通りありそうだ。一つは最前線を経験しておくべしの人事、もう一つは島流し的な懲罰の人事である。

 時々、登場させたひまわりさんは後者に属する。なにしろ、本人の弁では、とかく上官に突っかかったり尻をまくったりしたそうだ。それで、煙たいから駐在勤務に飛ばされたと言う。
 私の見方はちょっと違う。
 上官は煙たいから遠ざけたのではない。保安組織は規律の維持が最優先事項だろう。言い換えれば、組織の原理とは服従にある。分限をわきまえないはみ出し部下を放置すれば組織のタガが緩む。それで処断したのではないかと思う。

 警察は軍隊と同じく牢固な階級社会である。
 警察官の階級は、警視総監、警視監、警視長、警視正、警視、警部、警部補、巡査部長そして巡査となる。このヒエラルキーは警察法第六十二条で決まっている。県の警察本部でいえば、本部長は警視長か警視正であり、警察署長は警視である。
 
 ちなみに陸軍の階級は将官、佐官、尉官が将校、その下に准士官(准尉)、下士官(曹長、軍曹、伍長)そして兵士(兵長、上等兵、一等兵、二等兵)と続く。おそらく本部長は少将、警視の警察署長は佐官クラス、警部は尉官クラス、警部補は准尉ではないか。高級将校は少佐から上の位になるから、署長以上は高級将校といえる。
 巡査部長のひまわりさんは兵隊の位で言えば下士官クラス、勤続年数から古参の曹長ぐらいになるだろうが、それでも将校に遠く及ばないのだ。

 断っておくが、がんじがらめの組織がよいと思ってはいない。無能であろうと横柄であろうとそのポストにつけば、絶対的な階級制に守られる。この硬直化はどこかの国の一党支配と似ている。