本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

歴史カード

2007-05-19 11:38:38 | Weblog
 この3月、「安全保障協力に関する日豪共同宣言」が締結された。これに中国、韓国が不快感を表したという。日本の安全保障に敏感なのかと思いきや、雑誌掲載の論評を読めば、その心は本能寺にありだ。
 この宣言を締結した豪州首相は、過去の戦争歴史は大事だ、未来の志向も大事だ。戦後60余年の歴史も大事だという主旨の発言をしたらしい。言うなれば、戦時、戦後、未来を切り離している。特に、戦後の日本を評価したことはまことに結構なことだ。戦後のODAや経済支援を無視して、いつまでも「歴史カード」を切り続けたい中韓には、カチンときた。このシャクに触るというのが本能寺というわけ。
 本を読めば、いろいろと目からうろこが落ちる。
 
 戦後生まれが還暦を過ぎても、謝罪と反省を強いられる。一体、いつまで「歴史カード」を切り続けるのでしょうね。
 一方、中国はアヘン戦争の「歴史カード」を切って、イギリスに謝罪と反省を求めたとは聞かない。つまり、日本だけではなく、帝国主義の列強は至る所で侵略し、占領し、統治した。それなのに、アジアやアフリカの諸国が欧米に「歴史カード」を突きつけたフシがない。多分、カードの見返りに、米搗きバッタ(この言葉、古いね)になって、ODAやら経済支援やらを差し出さないからでしよう。
 そう思えば、有効なカードにしたこの国の政治手法がまずかった。これからは、国民が「支援過剰歴史カード」を切って、政府に謝罪と反省を求めてはどうだろう、と思ったことでした。