ミラノ便り

　ミラノから時々ｅメールが届く。
　今日の便りは、家を買いたいが高いとの嘆き。それに夫のサベリオは20キロまでの郊外で物色したいらしいが、メールの主のミセス・キムは市街地がよいと意見が分かれている由。何となく分かる。サベリオはノラの生まれ。そこはナポリから電車で30分程度の距離だったと思うが、要するに田舎育ち。一方、キムは大都会のソウル出身だ。
　それに、サベリオはプロのカメラマンだから時間的な拘束はないかもしれない。キムはカバン・ショップを持っている。もっとも、近々、その店は閉めるそうだが、やり手だからそれで引っ込むはずはない。韓国客の観光ガイドも頼まれるようだから市街がよいのだろう。
　
　便りのもうひとつは、彼女の妹がソウルから名古屋に移り住むとか。すでにご主人は単身赴任中らしい。
　このご主人、東京生まれの東京育ち、大学も東京だから日本生活に不自由ない。電子機器関係の起業家の二代目だ。まだ社長ではないが、ソウルでは運転手付きの身分だった。メシとカラオケの後、ホテルまで運転手が送ってくれたものだ。
　妹には双子の坊やがいる。ソウルには子守り役のお手伝いがいたが、さて、名古屋では大変だ。