ひとこと・ふたこと・時どき多言(たこと)

〈ゴマメのばーば〉の、日々訪れる想い・あれこれ

「広島生変図」のことなど。

2021-07-28 06:14:30 | 日記
「黒い雨訴訟、政府上告断念」
このこと自体は嬉しいことです。
それにしても、これまで「科学的知見」を口実にして被爆者に認定範囲を限定していた国の対応でしたが、この時期に至っての「政府上告断念」は、支持率低迷から脱却しようとの菅首相の政治的判断に思えてなりません。
利他(被曝者へ)ならぬ自利(政府・自民党へ)かも。
いずれにしても、
《被爆者援護法は、原爆による健康被害は「他の戦争被害とは異なる特殊の
 被害」と規定している。
 国が責任を持って被害の補償をすることは当然だ。
 広島に原爆が投下されて今年で76年となる。
 被爆者の平均年齢は84歳に近づいている。
 原告84人のうちすでに15人が亡くなっている。
 被害者に残された時間には限りがある。
 政府は、黒い雨に遭った人々すべてを救済するための幅広い仕組みを、速
 やかに作らなければならない。》(毎日新聞 7/27社説)
に、私は共感いたします。一日も早く黒い雨に遭った方たちを援護してください。

7年前の夏にアップしましたブログの一部を再掲いたします。
《・・・・・・画家の平山郁夫さんは、学徒勤労動員の作業中に、広島市陸軍兵器補給廠で被爆しました。
多くの学友を失い、自らも原爆の後遺症に苦しんだそうです。

平山画伯の作品に「広島生変図」という絵があります。
広島の街を焼き尽くす炎、罹災した街の様子、その惨状が平山郁夫という画家の心象と共に、燃え盛る強烈な赤い炎と共に描かれています。
画面上部に描かれている忿怒形の不動明王は、平山画伯の怒りと、悲劇を乗り越えようとする決意なのでしょうか。

私は平山郁夫さんの作品、特に仏教関連の絵が大好きです。
『仏教伝来』を画集で観た時、私は、今すぐに作品に会いたい気持に駆られ、所蔵する佐久市立近代美術館に電話をしました。
会って来ました。
安らぎと、「道」が感じられて、時の経つのを忘れたのは30年近く前のことです。

JR小海線「甲斐小泉」の駅前にある「平山郁夫シルクロード美術館」には、画伯のアトリエが再現されています。
その部屋にある机の引き出しの中に、幾つもの、幾つもの形の小鳥のパーツが入っていました。
『仏教伝来』
『入涅槃幻想』
『出現』
その他の作品にも、この「小鳥」達が舞っているのです。
作品の中に登場する小鳥たちは、安らぎを希求するシンボルなのかもしれません。
広島で被ばくし、多くの学友を亡くし、ご自分は原爆症に苦しみはしたものの、生きることができた・・・・・・。
平山郁夫さんは、逝ってしまった者たちを小鳥の様に羽ばたかせたかったのでしょう、きっと。・・・・・・》

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