ひとこと・ふたこと・時どき多言(たこと)

〈ゴマメのばーば〉の、日々訪れる想い・あれこれ

猿ではなく、熊のことですが

2013-09-28 06:36:33 | 日記
静岡県県庁に一、匹の猿が入りこんだとのニュースが、テレビで流れていました。
あちらこちら、庁舎の内外を走り回っています。
逃げ惑っているのかもしれません。
餌を入れた捕獲用の檻を幾つかしかけたのですがダメな様です
猛獣ではありませんが、危害を加えるという恐れも無いわけではありません。
早く捕まって、山に帰してもらえばいいのに。
DJポリスの出動を願って、
「おとなしく、捕まりなさい。身の安全は保障します。山では、家族も帰りを待っていることでしょう。すみやかに………」などと説得しようにも、相手は猿。

ところで、今から三年前、チリ落盤事故にかかる作業員の、地下からの救出生還があった時のことを思い出しました。
この救出劇には、世界中が歓声をあげました。
実に、いいニュースだったことを覚えています。

《その時の日記から》
………今年の異常気象で、木の実となる餌が山に不足しているらしく、猿や熊が例年になく人里に出没している。
そのうちの一頭の熊が、施設に立てこもってしまったとのこと。
その状況が、テレビで放映されていたのだが、この日、「射殺された」と簡単に報じられた。
世界的ともいえるチリ炭鉱救出劇の前では、たかが熊一匹、ニュースとしては問題にもなるまいが、地球生物の一員として考えると、なんだか申し訳ない気持ちになってくる。
人間が熊たちのテリトリーを侵し過ぎているのに。
熊にも家族がいたであろう。
生きるため、冬籠りの準備のため、死を賭して村里へ、人間の居住地にまでやって来たのだ。
可哀そうに。

後日の〈追記〉
字幕と共に写し出された男たちと家族の姿。
70日間の地下生活を強いられた33人の男たちの証言。
「落下しそうな岩の下で、泥にまみれて寝ることは、もうないのです」
「今、空は、私のために広がっています」
と、孫を抱き上げ、サングラスに、ほほえみを浮かべて空を見上げていた作業員の姿。
彼の上に青空が広がっていた。

今日、餌を求めて村里に出没していた親子熊二頭、親熊は射殺された。
逃げた一頭の小熊は孤児となった。
冬に備え、沢山の餌を食べねばならない季節なのに、小熊は餌を探せるのだろうか。
腹を空かして、また母熊を慕って里に出てくるのだろうか。
「熊が可哀そう」とは、誰も言わない。
                            〈ゴマメのばーば〉

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする