まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「国家的危機を前に、民主党と自民党が手を組む大連立が模索されておりましたが、谷垣総裁は応じない方針を固めた、という報道も出ています。あなたは大連立に賛成?反対?」では・・・
1位:反対 48%
2位:賛成 46%
3位:その他 6%
となりました。見事に反対と賛成が分かれましたね。ほぼ同数という結果になっております。
筆者自身は震災前から、批判ばかりで何も進まない今の政治状況に辟易しておりましたので、大連立を機に政治が生産的な話し合いができる状況になることを期待しておりましたが、結局は「お流れ」になったようですね。残念です。
上記結果のようにそもそも「大連立」が国民の支持を得られなかった、ということもあると思いますが、やはり自民党の、菅総理に対する不信感と、菅総理自身の国民からの不人気が大きいのでしょう。
つまり結局は政党の行動原理は「党利党略」であって、連立を組むことで党にプラスになるのであれば組むし、プラスにならなければ組まない。しかるに今の民主党政権と連立を組んだとしても、菅総理がそのポストに留まる限り支持率が低下するのは間違いなく、それは結局、連立相手の政党も巻き添えにされてしまうことになります。
そういう状況では連立は組めないよ、というのが自民党の本音なのでしょう。一方、民主党も、少なくとも菅総理が辞めるか、総理ポストを自民党に差し出すくらいの覚悟ができていなかった、ということでもあると思います。
ただ一方で、菅総理が辞めて誰か別の人が新しい首相になれば、一時的にせよ支持率も上がると思いますし、その人気が本物であるなら「党利党略」という観点からは、野党も同調せざるを得なくなってきて、結局は「大連立」という大げさな仕掛けは不要になってきます。
待たれるのは国民の支持を受ける総理大臣ということでしょうか。
歴代の総理大臣の中で人気があったのは細川護煕氏と小泉純一郎氏ですね。弁舌さわやかで、主義主張が分かりやすく、見栄えも悪くありませんでした。目に見える成果も残しましたし。ただこの2人はあくまで例外ですね。それ以外のほとんどの総理大臣は特に政権末期においては支持を得られておりません。
では日本の政治家の資質が足りないのでしょうか?個人的にはそうではないと思います。国会議員はともかくとして、知事や市長など、市民が直接投票し選ぶ政治家の中には、高い人気を維持している人も多いですね。
やはりこれは資質の問題ではなく、政党が首相を選ぶ「政党政治」の限界のような気もします。政治家の中で人気がある政治家と、国民から支持される政治家とでは、明らかに違いますね。「政治家目線」で首相が選ばれる限り、また、国民がその首相の選定に直接的な責任を負わない限り、内閣の不人気と、日本の政治の長期的な低迷は続きそうですね・・・。やはり日本も、国民自身が首相を選ぶ「大統領」制を敷いた方がいいような気がしますがどうでしょう?
と、話がそれていきましたが、大連立がなくなり、政治状況がまたもとの何も決まらない政治に戻るとすれば、歳出の方はまだしも歳入の方は一切進まなくなります。特に増税などの不人気施策の導入は不可能ですね。となると国債の残高が膨らみ、日本の危機的な財政状況はさらに進むことに・・・。
ギリシャやアイルランドのように実際に危機が起きないとこの国の政治は変わらないのかもしれませんねぇ。もちろんそれは政治家だけでなく、我々国民の責任であることは間違いありませんが。
では前回の読者アンケートについて、投票がまだの方はぜひ投票をお願いします。
〔投票〕http://www.ginkou.info/modules/xoopspoll/index.php?poll_id=688
〔前回のコラム〕http://www.ginkou.info/modules/xfsection/article.php?articleid=513
さて今回は、最近の為替動向について。
--- Ginkou ---
投機筋が仕掛けた円最高値 “ミセス・ワタナベ”敗れたり
http://www.nikkei.com
東日本大震災から1カ月。震災後の混乱のさなか、外国為替市場では円相場が急騰し、約16年ぶりに円最高値を更新した。震災後のマーケットで何が起こったのか。激しく乱高下した円相場の舞台裏を探った。
ミセス・ワタナベ敗れたり――。外国為替市場の円取引の2~3割に相当する売買を手がけ、海外にも存在感を誇示してきた外為証拠金(FX)取引参加者。一般の主婦が自宅で取引することも多く「ミセス・ワタナベ」の通称で広く知られるが、ここにきて急速に元気を失い、取引を大きく減らしている。背景にあるのは3月17日早朝の円最高値更新時のトラウマ。「魔の20分」とも言うべき円急騰劇にミセス・ワタナベは翻弄された。
「投機筋にいいようにもてあそばれた。損失は60万円」。都内に住む中小企業経営者は3月17日早朝の出来事をこう振り返る。
11日の震災発生を受け、日本経済の先行き不安からいったん円安が進んだ。だがその後、なぜか円は上昇に転じる。これを見て、逆張り(相場の動きと逆方向の取引)を得意とするFX投資家は積極的に円を売ってドルを買った。FX取引を扱う東京金融取引所(金融取)によると、17日早朝の円に対するドル買越額は約30億ドルと、震災が起こった11日の早朝から約5割も増えていた。
■たった20分で3円も急騰
だが予想に反し、円高は止まらなかった。17日午前6時前。円は1995年4月に付けた当時の最高値(1ドル=79円75銭)をついに突破した。市場に衝撃が走ったのはその直後だ。ヘッジファンドなどの投機筋による円買いが加速。円はたった20分間で3円以上も跳ね上がり、一気に76円25銭の最高値を付けた。想定をはるかに超える円急騰に即応できず、多くのFX投資家は多額の損失を被った。
ただ2つの疑問が残った。1つは、なぜわずか20分間で3円以上も円高が進んだのか。そしてもう1つは、そもそもなぜ震災後に円が上昇に転じたのかという点だ。
実は、17日早朝の円高に拍車をかけたのはFX取引そのものだった。カギを握るのは「ロスカット」の存在。ロスカットとは、FX投資家が一定の評価損を抱えた際に取引を強制的に終了させる機能だ。17日早朝の円急騰時にロスカットが発動すれば、ドルを買っていた投資家は強制的に円を買い戻させられる。つまり円買いが一気に増え、円高に拍車をかけるわけだ。それは同時に、FX投資家の損失確定を意味していた。
ではなぜ投機筋は早朝に円買いを仕掛けたのか。有力な説の1つが、FX投資家によるドル買いが膨らんだ局面で円買いを仕掛けてロスカットを発動させ、円急騰を促したというものだ。取引が少なくなる早朝は少額の取引でも相場が動きやすい。円が急騰した段階でドルを買い戻して膨大な利益を得る。それが投機筋の狙いだったのではないかとの見方だ。こうした手法を「ミセス・ワタナベ狩り」と呼ぶ市場関係者もいる。
震災を挟んだ1週間、投機筋の円買いが急増したことを示す数字もある。投機筋の売買を反映するとされるシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のデータをみると、15日時点のドルに対する円買越額は震災発生前の8日から倍増していた。
(中略)
結局、一部のFX投資家は17日の円急騰時に続き、18日の円売り協調介入後の円急落局面でも損失を被った。しばらくは取引を控えたいと考えるのも無理はない。金融取では、今月6日早朝時点のドルに対する円買越額は3月17日早朝時点と比べて6割も減った。ちなみに協調介入後、円安の流れが鮮明になるなかでドルを積極的に買い上げたのも、主に投機筋だったとされる。円急騰時に続き、円急落時にも再び投機筋に利益を持っていかれたわけだ。
■歴史的なチャンス逃す
外為市場での影響力拡大が注目されてきたミセス・ワタナベ。だが「16年ぶりの円最高値更新」「10年半ぶりの協調介入で円急落」という歴史的な大相場が連日訪れたのに、打つ手がすべて裏目に出てしまった。
足元では、日本経済の弱さに着目した円独歩安がじりじりと進みそうな気配もある。さすがにミセス・ワタナベも外貨買いを少しずつ再開し始めた。これがマーケットへの本格的な復帰につながるのか注目したい。
〔 出典:日本経済新聞 〕
--- Ginkou ---
震災後、相場はいろいろと動きましたが、中でも変動の大きかったのが為替相場です。震災翌週には対米ドルで市場最高値をつける一方で、その後の協調介入後は円安方向に動いております。チャートで確認するとこういう感じですね。
■米ドル/円チャート(期間:1年)
上昇幅も下落幅も極めて大きいです。
そうした動きの中で特に不可解だったのは、上記の通りいきなり4円くらい跳ね上がった円高の動きで、市場関係者のコメントを聞いてもどれもピンと来なかったわけですが、記事によれば、投機筋がこの動きを仕掛けた、ということですね。記事を引用するとこういうことです。
有力な説の1つが、FX投資家によるドル買いが膨らんだ局面で円買いを仕掛けてロスカットを発動させ、円急騰を促したというものだ。取引が少なくなる早朝は少額の取引でも相場が動きやすい。円が急騰した段階でドルを買い戻して膨大な利益を得る。それが投機筋の狙いだったのではないかとの見方だ。こうした手法を「ミセス・ワタナベ狩り」と呼ぶ市場関係者もいる。
うーん、本当かどうかは筆者には調べようがありませんが、他の解説に比べればはるかに説得力がありますね。さすが日経新聞。
確かに個人のFX投資家を上回る資金力があれば、相場をひっくり返すことは不可能ではありませんし、もしそれができれば、莫大な儲けを得ることができそうです。
もちろんその儲けは、FX投資家の屍の上に成り立っているわけですが・・・。「ミセス・ワタナベ狩り」・・・あな、オソロシヤ。
しかし往々にしてマーケットの動きというのは、裏で投機筋同士が結託しているのではないかと思えるものがありますね。実際、国際金融市場では金融当局の規制は行き届きませんし、カギを握っている投機筋の間でそれなりのリレーションがあるのであれば、十分、考えられます。
FX投資家はそういった投機筋のもう一歩先を読まないといけないのだとすれば・・・素人の筆者にはなかなか難しいですねぇ。というわけで筆者のFXは実弾(資金)は装填しておりますが、発射するチャンスがないまま長い間眠っております(笑)。
さてそういった短期的な動きはともかくとして、気になるのは今後の長期的な為替動向です。足元では新興国通貨やユーロ、豪ドルなどが金利上昇に伴い通貨高になっている一方で、米ドルや日本円は引き続き金利上昇は先ということで通貨安のまま、という「金利相場」に戻ってきましたね。
もし今後、こういった「金利相場」が続くのであれば、読みは比較的簡単です。金融緩和が続き金利が未だ低いのは米ドルと日本円なわけですが、ではどちらが金融緩和の出口に近いかと言えばそれは間違いなく米ドルです。
つまり遠くない将来、米ドルが金利の引き上げを始め、それに伴い円安ドル高が進む、という読みですね。
今後当面は、復興需要や、電力不足により輸出よりは輸入が増えそうな日本にとっては、むしろ円高の方がいいかもしれませんが、少なくとも筆者のように、リーマンショック以降の円高傾向で含み損を抱えてしまった投資家にとってみれば、ここで円安になってくれるのであればありがたいことです。
とは言いながら、魑魅魍魎(?)が跋扈する為替相場の世界で、そんなにウマくことが運ぶでしょうか?期待せずに期待したいところです・・・。
では今回の読者アンケートは、「一時は史上最高値を更新した米ドルですが、足元ではむしろ円安傾向となっています。今後、円安が進むと思う?思わない?」でいきましょう。5月13日まで。
■一時は史上最高値を更新した米ドルですが、足元ではむしろ円安傾向となっています。今後、円安が進むと思う?思わない?(5月13日まで)
http://www.ginkou.info/modules/xoopspoll/index.php?poll_id=690
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