ジェンダーからみるカンボジア

カンボジア社会について、ジェンダー視点から色々な情報をお届けします。

10年待つか、半年毎か?

2009年09月30日 | カンボジアで感じたこと
カンボジアは、国の発展のために、開発パートナーと呼ばれる諸外国(機関)からの資金・技術協力にまだ依存している段階。

発展のために、カンボジアとして「これが優先順位だし絶対大事!」だと認識している発展課題がある。
なんせ、自分の国のことなんだし、一番よくわかってる(とおもってる)。

他方で、開発パートナー(日本・フランスや国連など)は、「我々の長い経験からは、この分野が優先だ!」って意見があったり、「うちはこの支援が得意だかたこれをやりたい!」っていう分野がある。

でも、みんな勝手なことを言ってたら、前に進めない。


というわけで、カンボジア政府と、支援をしている国(機関)との間で、

The Government- development partner coordination committe (GDCC)

とよばれる会議が定期的に開催されていて、調整を行うことになってる。



9月28日、第15回目になる会議がカンボジア開発評議会で開催。


↓手前がカンボジア政府側、向こう側は開発パートナー




今回は、4,5時間にわたる会議。休憩なしでぶっつづけ。

カンボジア政府はキエットチョン経済財務大臣が司会進行して、
開発パートナーは取りまとめ役が世界銀行のカンボジア事務所代表。


世界銀行の代表、国籍なんてどうでもいいのだけれど、中国人。
挨拶をはじめ出したのはいいのだけれど、「わたしは、メディアや開発パートナーの同僚から、なぜ四半期毎にこの会合を開催しなければならないのかっていう質問をよく受けます。会合に提出するための報告書を作成するだけで大変な作業だからです。でもそういった時、私は必ず中国の故事を紹介することにしています。」と前置きして、あいさつを開始。

この男性、スピーチは相当慣れている様子で、分かりやすい英語だし、国連事務総長になってもいい貫禄。



↓向こう側左から二人目けっこうイケメンの世界銀行の代表




で、この故事、めちゃくちゃ長いし・・・・・
内容は、だいたい以下。

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ある王国の王さまは、馬が大好き。
でも、馬とのコミュニケーションができないので、ある時、国中に通達を出して、

「私の馬に中国語を話せるように教育できた者には、国土の半分を褒美としてさずける。ただし、もしできない場合には、命はない。」

と発表。

そんなむつかしいことはできないのだけれど、数名手を挙げた人が。

とある村で、バカ者だと思われている男性が、手を挙げて、さっそく国王に会いに。
でも国王に対して言ったのは、他の人と違ってた。

「わたしは、馬に中国語を話せるように教育できますが、それには10年かかります。
また、この目的を達成するためには、国中を視察して、馬が話せるように調教している人たちの現状を見学していい方法を学ぶ必要があります」

と国王に進言。

国王は、喜んでこの男性に馬の調教を委託し、おカネを出して国中に派遣し、希望通り視察させた。


出身地に視察の途中寄った彼を迎えた友達たちは、「絶対無理だから、今からでもやめたほうがいい」。

彼の回答は、「10年たてば、国王かわたしか馬か死んでるから、心配しなくて大丈夫」。

そう、彼はバカ者ではなかったのだ。


**************


ポイントは、10年も待ってたら遅すぎるので、今日みたいに四半期毎に会って進捗を確認するのは極めて重要であり、無駄ではない、ということらしい。


エコノミストでもある彼、10分くらいかけてこの故事を説明。
政府高官と各国大使が真面目に聞いてたのだけれど、コスト計算したんだろうか・・・
(ちなみに、わたしは落ちが知りたくて最後まで必死で聞いた!!)


この話の後に、偶然この方と挨拶する機会が。
イケメンは苦手なのだけれど、ついつい目があっちゃって。
赤く珍しい柄のネクタイをしていたので、「素敵なネクタイですね。馬の模様ですか?」って聞いたら、「なんだろう?」(なに、自分のしてるネクタイの柄も知らないの??)、って言うので、一緒にネクタイを確認したら、エレファント(それも間違いなくノンブランド)。


いかんなあ、ちゃんとエルメスかフェラガモの馬のネクタイしてもらわないと。