ジェンダーからみるカンボジア

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カネをどこから借りるか?

2009年09月10日 | 女性の自立


あまり嫌いなものはないのだけれど、カンボジアの銀行はだーい嫌いな私。


預ける分には金利7-9%(年)とかでいいのだけど、借りるのも金利がひどく高くって3-5%(月)なのだ。
つまり、10000円借りると、1年後に返す時には返済額が16000円くらいになってるという仕組み。
それって、めっちゃ高利貸しじゃん。

女性が起業するにあたっては、この高利貸しの壁にがつーんとぶつかって、お金を借りれない!!っていう課題がある。

見学していた「女性起業を支援する研修」でも、お金についてはひとつの重要トピック。
「女性起業家が直面する課題」の最初の研修内容は、「お金を借りることについて」なのだ。

ロールプレイで、1400ドル[13万円程度]で起業したある女性の抱える問題について紹介されました。


↓お金は、クリップで表現。手に乗ってるクリップ分借りてる



彼女は小売業を開始するために必要だった資本金1400ドルのうち、800ドルは自己資金、300ドルは友人から借り、300ドルは銀行から借りたという設定。


彼女のもとには、病気の子供を抱える妹が「お金貸して、おねえちゃん」とやってきたり、友達が「そろそろお金返してくれない?」って取り立てに来たり、村長さんが、「村に道を作るので寄付してください」って次々とやってくる。


↓村長さんが強制的な寄付について話す様子


「こまったなあ・・・・でもまあ、待ってもらうか」って人情に訴えようとするこの女性起業家。

そこに、銀行からの取り立て人がやってきちゃう!!


↓銀行の取り立て


ちなみに、プラサックという、本当に存在するマイクロクレジットの銀行員という設定。この銀行、農村で相当ひどい取り立てをやってるらしく、敵がおおいのだ。

銀行員のセリフは、ほんとにこんなかんじなんだ!!ってみんながうなずくんだけど、こわいよおー。
「もう2年返済おくれてますよ・・・払えなければ家にある財産差し押さえますよ!!」


農村地域では、1万円とか2万円とか少額を銀行から借りて、返済ができずにさらに高利貸しから借りたり、夜逃げしたりするケースが相次いでいるらしい。この2-3年間くらいで、銀行があっという間に農村地域に進出して、わけもわからず少額のお金を借りて、農民が悲惨な目に合っているそう。

研修では、ロールプレイを見た参加者が、「同じような問題に、男性も直面する?」ってところから議論。

もちろん、女性の方がいろいろ問題には直面するし、「はずかしい」とか「取り立てがこわい」とか、男性よりも女性の方が弱い立場に置かれている事実を考えさせられる実情はある・・・・・のだけれど・・・・

このマイクロクレジット、カンボジアの農村をめちゃくちゃにしていくのではないかという危機感、もっと多くの人に持ってほしいなあ。
すでに、農村では多くの人が、借金取り立てで苦しんでいる実情って、あまり知られてないものなあ。

アクレダ銀行のあの素晴らしいビルは、農村のこういう苦しい人たちの生活を土台にして成り立っているのだ!!
だから、やっぱり銀行はなあ・・・・・・