こんにちは、ForexTVジャパンの浅野です。
久しぶりにアップデートした昨日のブログでは、最後にスイスフランの動きから、世界的にはリスク回避の動きが強まりつつある想定をしました。
米国債券価格が下落を続け、利回りが上昇するにつれ、ドル金利も上昇傾向が継続する中で、ドルスイスは下落を継続してきました。
つまり、金利高よりドル売りが勝っていたことになります。しかし、昨日はさすがに為替市場全体でドル買いが強まったため、対ドルでは前日の下げを概ね取り戻す上昇、対円ではスパイクトップを作り、ともにリバーサル・パターンを作った格好です。
メジャーな対円ペアはこのところ底堅いものの、狭いレンジで上下する中、スイス円は12月に入って83.09の安値から昨日の87.57まで4.40円近く、ほぼ一方的に上昇してきました。
スイス円での円安が、他の対円通貨で底堅かった一因になっていたと思いますが、その力をもってしてもドル円は84円台中盤で上値を抑えられていました。
スイス買いの動きは、特に対ユーロで強く、ユーロスイスとドルスイスとの比較においても、ユーロの方がドルより弱かったことが裏付けられています。
もし、スイス相場が暫く反転すると仮定した場合、スイス円からの円売りの圧力が一つ減ることが予想でき、各クロス円の下値は以前より硬さを失なう可能性があります。また、ドルスイスはドル買いに傾くことから、ユーロやポンドで進んでいたスイス買いがドル買いへシフトする可能性があります。だとすれば、ドル円は円高へと傾斜し、比較的底堅かったユーロドルやポンドドルもドル買い下落することで、クロス円の下落が強まる可能性が出ています。
下落していたユーロスイスやポンドスイスが単純に巻き戻されるだけなら、ユーロドル、ポンドドルの上昇になるのですが、このままドル金利の高止まりが継続すれば、そのままで終わるとは思えません。増してや、ユーロ圏の財政懸念が依然としてくすぶっており、スイスにシフトしていた資金がドルへシフトすると考えた方が自然に思います。
ForexTVジャパン
浅野 敏郎