山と道・野の花のこと

揺れずに咲く花がどこにあるだろうか
この世のどんなに美しい花も揺れながら咲くのだ
<ト・ジョンファン>

紅葉と曇り空 安達太良山 日本百名山№11

2012-12-19 | 11安達太良山(秋)
深田久弥さんの
日本百名山より
山へ登る前にその山を望見するのは
登頂を終えて振り返る時と同様
心のときめくものである。
高村光太郎夫妻が腰をおろして
パノラマのような見晴らしを眺めた

二本松の裏山の崖で
深田さんは
ほんとの空を見ることができたのだろうか?
紅葉が目的で安達太良山を訪れたのは
10月下旬。
ガイドブックによると
最盛期には少し遅いかもしれません。
会津で1泊したので
移動は楽になりました。
風情のある温泉街の
岳温泉を過ぎ
あだたら高原スキー場が
登山の表口になります。
グリーンシーズンは
観光客を乗せて
アダタラエクスプレスという
ゴンドラが動いています。
登りで
使えるものはなるべく使う
軟弱派なもので
観光客と空中散歩です。
これで約1時間半のショートカット
おまけに
紅葉の大パノラマが見られます。
終点の山頂駅を9:30出発。
山頂方向を見上げると
紅葉は少しピークを過ぎているのか?
ポスターの紅葉よりも
少し地味かもしれません。
 
それでも
はるばる来た者を魅了する
雄大な山腹に
着物を広げたような紅葉です。
少し歩くとすぐに
薬師岳展望台があり
観光客も多いのですが
展望台の名にふさわしい
ゆったりとした景色が
眼下に広がります。
あまりにも広大で
その当時のカメラでは全体が入りきりません。
カメラの代わりに
自分の眼で
シャッターを切りました。
登山道は傾斜がゆるく
幅広の尾根です。
のんびりと紅葉を楽しみながら
1時間ほどで
山頂直下の広場に到着です。
大勢の人が訪れたように
とても広い。
 
余裕があれば
ゴンドラに乗らないほうが
達成感が得られるでしょう。
山頂は少し尖った岩場です。
 
登って見下ろせば
ゆったりしたパノラマ。
 
紅葉に気をとられて
周囲の山並みの写真を
撮り忘れてしまいました。
磐梯山も見えていました。
下りは
くろがね小屋経由で
ゴンドラの山麓駅まで
紅葉の谷を2時間かけて降ります。
まずは鉄山に向かう稜線を進み
矢筈ケ森の直下の分岐へ
その西面に広がる沼ノ平を見物です。
噴火の火口ですが
今も有毒ガスを含む噴煙があがっています。
 
磐梯山にも近く
穏やかに思われた東北の福島ですが
どちらも激しい噴火があったとは
日本は火山列島なんだと
再認識しました。
ここからは稜線を離れて下ります。
小さな谷川に
暖かい色の草の紅葉が目に付きました。  
 

峰の辻で十字路になり
前方には2本の道が続いています。
どちらも勢至平に続いていますが、
谷に下りて
くろがね小屋経由の道を選択しました。

この道は谷の底に当たるため
紅葉は見上げることになります。
今までの見渡す紅葉から
木の一本一本の彩を楽しみながら
歩くことができます。
 
 
4時間半ほどの滞在でしたが
東北の秋を満喫しました。

来た道を最後に振り返り
見えたのは
 
安達太良山は
たくさんの登山口があり
楽しみ方も一通りではない
万人の名峰です。
end


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