山と道・野の花のこと

揺れずに咲く花がどこにあるだろうか
この世のどんなに美しい花も揺れながら咲くのだ
<ト・ジョンファン>

熊沢岳⇒木曽殿山荘⇒空木岳山頂☆空木岳@日本百名山№61

2022-11-03 | 61空木岳(秋)
1日目の最高峰である熊沢岳は

北側の大きな岩と急登の登山道と対照的に
南側は熊沢五峰と呼ばれる
小ピークが並ぶものの

登山道はハイマツに覆われて
穏やかになり、晴れていれば
今まで見えなかった
中央アルプス南部の山並みに
魅せられたことでしょう。
空木岳もすっぽりと
雲に覆われてしまいました。

熊沢岳の山頂から少し進み
振り返る山頂から

進む先が
白く見えなくなるまで広がる

平坦な広い山頂広場から
ガスが次第に濃くなり

緩やかに下っていく道以外は
ほとんど視界がなくなり
ソニーのカメラα6400は
ザックにしまうことにしました。

岩場の緊張から解放され
気が緩み、スローペースになって
熊沢岳より1:40で
東川岳に到着です。

ガイドブックには
ここから見る空木岳に圧倒される
とありましたが、何も見えません。
写真だけ撮って
木曽殿山荘への急坂を下ります。
途中から、丸太を使った階段が整備され

山小屋が近いのかとホッとすると
雲が薄くなり、下の方に
山小屋の建物が見えました。
空木岳との間の雲は
右から左に流されていて
少しずつ、薄くなっている気がして

荷物を下ろし、α6400を取り出して
待ってみることにしました。
すると、次第に視界が回復し
目の前に大きく
空木岳が姿を現しましたので
全貌が撮れるように願い
何回もシャッターを切りました。


雲が晴れたのは10分くらいの間
だったと思います。山頂部分の雲は
完全には取れませんでしたが
思いがけず
幸せな時間になりました。
写真を切り取った空木岳山頂です。

迫力のある岩山です。
明日登ることを思い、気が引き締まります。
再び空木岳が雲に隠れたので
ほんの少し下れば
東川岳から40分、熊沢岳から2:20で
木曾殿山荘に到着です。

大部屋1つに到着順で
寝る場所が決められました。
翌日、早い人の出発を見送り
遅い人の前に出発できましたので
空木岳山頂までストレスなく
上ることができ、気の利いた
システムだと感心しました。
食堂に、日本百名山完踏を祝う
写真やアルバムがたくさんあり
空木岳を最後に残す人が多いことに
驚きました。今回登ってみて
最後まで取っておく気持ちのわかる
魅力の多い山です。
今回の山旅から、もう一つ
アプリが加わりました。
YAMAPという登山地図アプリです。

無料で地図が2枚まで
ダウンロードできて
自分の現在地が確認できます。
上りではあまり道に迷いませんが
下りでは分岐点で進む方向がわかり
重宝しました。
初めての分岐が多い山では
心強い味方になりそうです。
木曽殿山荘は鞍部にあるので
強い風が吹き続けていました。
ガスがかかり、外は真っ白なので
皆さん、消灯前に静かになりました。
翌朝は、5時の朝食の後
空が明るくなり
早い人が出発して落ち着いた6時に
空木岳山頂に向って登り始めました。

風は治まりましたが
ガスで遠くは見えません。
昨日の晴れ間に見た記憶では
山頂近くまで、岩場ではなく
尾根道を九十九折に登っていく
はずです。予想通り
40分は順調に進みました。

大きな岩が現れると

赤ペンキで第一ピークとあり

ここから幾つものピークがあることを
覚悟します。
(地図にある3番目の!マークです)
写真が段々と白くなりますが
レンズの前のガラスが曇ったので
実際はもっと視界がありました。

恐竜の背中のような岩が続き

傾斜がきつくて
足がかりのないところには
木製の階段や

鉄棒を曲げた手がかりが
整備されていますが

緊張する場面が続きました。


岩の大きさが巨大になると

その先に見える三角の辺りが
空木岳山頂(標高2864m)でした。

木曾殿山荘から1:30です。
誰もいません。
何も見えません。
深田久弥さんの日本百名山では
雲で何も見えずという記述は
数えるほどです。どうしたら
晴天に恵まれるのか
聞いてみたかったです。
つづく