○ワグナー ワルキューレ フリッチャイ/ベルリン市立歌劇場管弦楽団他 1951年6月10日(ライヴ)
1950年9月、ベルリン市立歌劇場のインテンダント、ハインツ・ティーチェンは、「ニーベルンクの指輪」の新演出上演を開始しました。
序夜の「ラインの黄金」は当初、音楽監督のフリッチャイが指揮する予定でしたが、何らかのトラブルで指揮できなくなり、代わりに、このオペラハウスを第二次世界大戦以前から長い間指揮していたアルトゥール・ローターが指揮しました。
続く第1夜「ワルキューレ」は、ティーチェンがスウェーデンから招へいしたレオ・ブレッヒが指揮する予定でしたが、結果として13回の公演のうちプレミエを含め9回をフリッチャイが指揮し、ブレッヒは1回のみでした。
なお、フリッチャイは1952年6月、ベルリン市立歌劇場の音楽監督を辞任したため、結局「指輪」プロジェクトでは「ワルキューレ」を指揮したのみでした。
そんな波乱続きの「ニーベルンクの指輪」プロジェクトですが、演奏は大変素晴らしいです。
最初から緊張感あふれる演奏で、終幕まで集中力を持続しています。特に厚みのある弦、それもコントラバスが迫力あって底支えしています。
長い曲なので聴く方が集中力を持続するのが大変ですが、今日は、東京に出張で列車に乗っている時間が長かったので、全曲聴くことができました。