教育のヒント by 本間勇人

身近な葛藤から世界の紛争まで、問題解決する創造的才能者が生まれる学びを探して

国際学力テスト(TIMSS)の結果 学力低下に歯止め???

2008-12-10 08:13:13 | 文化・芸術
☆国際教育到達度評価学会が、小学4年生と中学2年生を対象に行った2007年の国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)の結果が公表されたようだ。

☆この結果をどうとらえるかについては、読売新聞と産経新聞が重要な指摘をしている。

まず「国際学力テスト 理数をもっと好きにさせたい(2008年12月10日(水)1時51分配信 読売新聞)」によると、

日本は、小4が算数、理科ともに参加36か国・地域中4位、中2では48か国・地域中、数学5位、理科3位だった。得点も含めて、前回の03年と同レベルで、上位を維持した。近年、理数系の学力低下が指摘されてきたが、文部科学省は「歯止めがかかった」としている。

だが、果たしてそうなのか。心配なのは、同時に実施された意識調査における学習意欲の問題だ。小学生は改善の兆しが見られたが、中学生は深刻である。

☆また産経新聞「国際数学・理科教育動向調査 日本の子供の弱点浮かぶ (2008.12.10)」では、推理力と算数の文章題が相当弱いことが指摘されている

☆意欲というのは、自分で考えて、自分なりの解答をつくり、他の人と議論したり、実験したりして、検証していく過程で生まれる。テストのスコアを上げるための学びで意欲がアップするはずはないし、推理力を学ぶ授業でなければ好奇心や興味はわかない。

☆国際学力テストのサンプルは、産経新聞で見ることができるが、模擬試験で出題されるような問題である。これで学力低下が歯止めになったと判断するのは疑問が残る。

☆それにしても推理力や文章題が弱いということは、OECD/PISAの世界標準知でいうと、思考のレベル3どまりだということである。レベル4の論理的思考力、レベル5の批判的思考力、レベル6の創造的思考力は相変わらず放置されたまま。

☆それは、しかし実は当然なんだ。学習指導要領はレベル3までしか指導しなくてよいことになっているのだから。この点について議論する文科省や学者がいない。タブーなのかね・・・。

☆知識基盤社会で、サバイブを!と叫んでも、この思考レベルで、できるのかなぁ・・・。市民は自分たちでやるしかないかぁ。オバマ次期大統領もYes, we can !って言ってるし^^;

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