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太陽電池の変換効率75%に、構造解析で発見 - 荒川泰彦・東大教授とシャープの共同研究

2011-04-28 | いとすぎの見るこの社会-地球環境を考える
今だに太陽電池について「山手線内にパネルを敷き詰めても原発1基分」と
意図的に軽んじる見方がありますが、これは誤りです。

この手の試算は前提が変われば全く違う結論が出るもので、信頼に足りません。
寧ろ見るべきは恣意的な結論に誘導しようとする政治的思惑です。
このプロパガンダの出所は経済産業省と電力会社であり、
既得権を死守したい原子力推進勢力の代弁に過ぎません。

例えば池田信夫教授などプロパガンダの出所も明示せずに
この論を援用する論者がいるので騙されてはなりません。

その手の人々には、原発の無駄な発電・送電ロスや
注ぎ込まれる税金を無視するという欺瞞的なダブルスタンダードがある。
どうして原発関連の交付金がよくて太陽パネルの補助金が悪いのか
彼らは筋道立てて説明することは一切ない。


第1に、太陽電池の最大の長所は夏の電力ピークに対応できる点である。
(冬はガスコージェネや燃料電池を重視した方が効率的)
ピークロード・プライシングや買取制度と併用することで
太陽電池の採算性は向上し、過剰な発電所投資を削減できる。

第2に、太陽電池の技術革新が急激な勢いで進んでおり、
価格低下も変換効率の向上も日進月歩で新しい報道が出ている。

高速増殖炉もプルサーマルも一向に進まない
「ウソつき原子力政策」よりも遥かに期待できる。
トリウム原発は現状で唯一期待できる分野かもしれないが、
原子力はロードマップ通りに進む分野ではないので過剰な期待は不可だ。


▽ 急速に成長する再生可能エネルギー部門

『低炭素経済への道』(岩波書店)


▽ 夏はピークに対応できない原子力より太陽電池が効率的

『低炭素社会』(小宮山宏,幻冬舎)



太陽光発電、10年でコスト激減 米長官「火力並みに」(共同通信)
http://www.47news.jp/CN/201103/CN2011033101000199.html

”【ワシントン共同】チュー米エネルギー長官は30日、20年末までに太陽光や
 風力によって一定の電力を得るための発電コストは、現在の半分に下がるなど火
 力発電と同等かそれ以下になる
との認識を示した。オバマ大統領が米国の新しい
 エネルギー安全保障政策について演説した後の記者会見で質問に答えた。太陽光
 や風力発電は火力や原子力発電に比べて発電コストが高く普及の妨げになってい
 る。”

 → 風力発電は大きなイノベーションが生まれ難くなっているので、
   (あとは洋上浮体風力発電と蓄電池改良くらいか)
   太陽光発電・太陽熱発電でのイノベーションを見込んでいるのだろう。
   厄介な原子力よりイノベーションが早いのは間違いない。


太陽電池の変換効率75%に 東大とシャープが構造解明(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819595E0E1E2E2888DE0E6E2E6E0E2E3E386989FE2E2E2

”東京大学の荒川泰彦教授らとシャープは、現在20%程度にとどまっている太陽電池
 の変換効率を、75%以上にできる構造をコンピューターによる解析で突き止めた

 化合物半導体でできた数ナノ(ナノは10億分の1)メートルサイズの「量子ドット」
 を敷き詰めた面を何層も重ねる。〔以下略〕”

量子太陽電池はまだ「夢の技術」であるが、
早くも期待できる報道が出つつある。

3倍の変換効率は、単純に計算すれば
同じ面積で3倍の発電が可能になるということだ。

勿論コスト面と生産技術において越えるべきハードルは多い。
しかし太陽光利用は資源に乏しい日本にとって絶対に必要なのである。
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