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福祉団体の「ずさん経営」「私物化」への内部告発が増加中-あのレクサス議員も社会福祉法人の「役員一家」

2015-08-12 | いとすぎから見るこの社会-雇用と労働
自民党に大量票を与えてしまうと、族議員が大復活してきて
各分野における癒着と利権もむくむくと再生してしまう。
エネルギー分野がその典型であるが、福祉分野においても同様である。

自民が与党に復帰してから数年経つと、案の定ながら
福祉関連団体のガバナンス劣化が進んできているようだ。

介護報酬の増減だけに焦点を絞るメディアは全く事情を分かっていない。
福祉セクターは元々、弱者のために公費を使って善行を行っているという感覚が強く、
独善的かつ排他的で新規参入者や業界秩序の変更に対する敵対心が非常に強い。

「自分は善意で善い行いをしている、従って自分が批判される筈がない」と
心の底から信じ込んでおり、これがマネジメントやガバナンスの劣化の原因ともなっている。

論より証拠、各福祉団体の情報公開度や利用者の満足度、職員の離職率など、
まともな調査は殆どなされていないのが現状である。
(個人的には、自治体がEQや離職率を調査して介護報酬を増減させるべきと考えている)
だから、事業の質の優劣を客観的に捉え改善する試みは殆どないのである。
優秀な事業者は存在するが、それは「点」に過ぎず一向に拡大しない。

そして業界団体は自民党と癒着し、「中抜き」される恐れのある
給付付き税額控除はいつまで経っても実施されない始末だ。
彼らは、労働者の待遇改善など本気で考えてはいないのである。

「自民党政権と厚生労働省は相変わらず介護報酬だけに固執し、
 事業者だけが安定収益を得て労働者が低賃金で苦しむ現状を全く理解していない」

「労働者個人に直接給付を行えば問題は大きく改善するのに、
 そうした劇的に効果の出る改善策を避ける理由は明白である」

「自民党の族議員が事業者と癒着して、労働者の待遇改善を妨害しているからだ。
 厚労省も天下りを維持するため口実を設けて事業者優遇を止めようとしない」

「利益率が高いからこそ今まで情報公開を渋ってきたのである。
 いまだに厚労省は財務諸表を公表させていないことからも、
 まだ「不都合な事実」が隠れているのは確実である。
 (公費を受け取っている以上、上層部の人件費は絶対に公開させるべきだ)」

と当ウェブログは指摘したが、利害関係者は何一つまともな改革を進めていない。

▽ 多くの社会福祉法人は、天下り受け入れと引き換えに公費を受け取ってきた

『こうして組織は腐敗する 日本一やさしいガバナンス入門書』(中島隆信,中央公論新社)


介護報酬引き下げの件で騒いだ割に、
その後は大した窮状が報道されてこない。
ある種の出来レースに過ぎなかったのは明白だ。

「今回の介護報酬マイナス改訂での「騒動」は全くもって馬鹿馬鹿しい限りで、
 介護業界の手先となって利害代弁を行っているメディアは恥じるべきである」

「社会福祉法人が族議員と癒着し、多数の天下りを受け入れている上に
 情報公開を渋り、新規参入や業界秩序の変化に全力で抵抗しているのは
 一般的な報道だけでもすぐに分かる」

「確かに良識的な業者はいるが多数派ではない。
 保守退嬰で何があってもリスク回避(つまり利権死守)の法人が大多数である」

「実際、厚労省は有料老人ホーム・高サ専が12.2%、デイサービスが10.6%、
 特別養護老人ホームが8.7%という民間企業を超える高水準の利益率であることを明らかにした」

「日経報道によれば、国内の少なくとも1200の社会福祉法人が
 5億円以上の金融資産を保有している。
 本当に設備更新等に必要と言うなら財務諸表も役員報酬も公開すべきであろう」

「各メディアはプロパガンダに騙されず、
 社会福祉法人の政治との関係や天下りの実態、
 そして法人役員の報酬や生活ぶりを監視すべきである」

「事業者がぬるま湯に安住し「護送船団方式」で質の劣る事業者を庇い、
 新規参入事業者に有利な事業分野を譲らないよう政官と癒着しているのは明白だ。
 社会福祉法人の天下りと政治献金を見ればその汚れた動機も見え見えである」

「少なからぬ介護事業者が、介護労働者の待遇悪化を名目として
 実質的には己の利益を増大させるため偽善的な騒ぎを起こそうとするだろう」

「社会福祉法人の情報公開は当たり前である。
 良心的で福祉の改善に熱心な事業者を擁護し、
 悪質な役員や事業者を排除するために
 バウチャーを導入して事業者間で質の向上を競わせること、
 労働者の離職率で介護報酬を増減させることが必要だ」

「また、労働者の待遇改善には給付付き税額控除を用い、
 利己的な事業者による中抜きを許してはならない。
 介護労働者の方も不祥事の際には税額控除分を返上することに同意しなければならない」

断言してもいい、多くの福祉関連団体の幹部は日本の福祉の向上発展など真剣に考えていない。
自らの縄張りや食い扶持を脅かされず、安定的に公費を受け取れることばかり考えている筈だ。

 ↓ 参考

介護報酬マイナス改訂は業界の自業自得、全く自浄力のない体質 - 公費を受け取っても情報公開せず
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/0c9e639ab91eb8b51dd2c0c9b5a4764b

介護事業の利益率は10%前後ある、民間企業よりも高水準 - 事業者への配分ではなく労働者への配分が必要
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/76b8874698a2d5bf03b0d2759ea6793f

社会福祉法人の黒字総額は年5000億円超、利益率も上場企業を超える - 情報開示すればこの体たらく
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/da2cbbd08a7affde86a1c288879f3b9a

▽ 福祉分野においては政官民の癒着構造が存在しており、その病巣を強固にしているのが族議員である

『社会保障亡国論』(鈴木亘,講談社)


障がい者福祉施設を理事長一家が私物化。利用者へのセクハラもみ消し――福祉現場からの告発(キャリコネ)
https://news.careerconnection.jp/?p=12267
”「キャリコネ」は働きやすい職場を増やすため、現役従業員やOBOGが企業の年収・評判を書き込める口コミデータベースと内部通報窓口を設置している。ここ最近増えているのが「社会福祉関係団体」のずさんな経営実態に関する告発だ。給付金の不正受給や経費の私的流用、違法労働の強要やハラスメントなど悪質なものも少なくない。
 そこで編集部は社外のジャーナリストと協力し、寄せられた内部通報の追加取材を行い、信憑性が高いとみなしたケースを数回に分けて公開することにした。従業員側の一方的な声ではあるが、似通った内容もかなりあり、業界の構造的な問題が垣間見られる。(特別取材班)
■市の遅い対応を問題視し、県が立入検査を実施
 千葉県の某市で、障がい者福祉施設を運営する特定非営利活動法人。最近までここに勤務していた会田さん(仮名)の話を聞くと、理事長のA氏(女性)には経営者としての資質に大きな問題があると思えてならない。
 会田さんは、この法人には数え切れないほどの問題があるとしながら、特に許しがたい問題について話してくれた。最初に明かされたのは「利用者に対するひどいセクハラ」だ。
 理事長A氏は、夫を事務員として雇用していたが、この夫が利用者である障がい者の女性たちに、胸を触ったりキスをしたりするなどの性的虐待を繰り返していたという。
〔中略〕
 実態をA氏に訴えたところ、「単に可愛がっているんでしょ、という程度の認識」で、利用者に謝罪したり夫に注意したりするなどの対策はまったく取られなかった
 会田さんは所管の市担当者に相談するが、アクションはない。しびれを切らして県に通報すると「市の遅い対応を問題視して」(会田氏)、施設への立入検査を実施。夫はすぐに退職した。会田さんは行政の限界について、こんな懸念を抱いている。
 「実は理事長のA氏は、市職員のOG。制度について熟知しているので、かなわないと感じることも多い。現役担当者は先輩に対し、強く指導できないとは思いたくないのですが…」
■娘とその内縁の夫も雇用「家族にお金が回るシステム」
 A氏は夫のほか、娘も施設職員として雇用している。月に3日しか出勤していないが、フルタイムの一般職員と同等の給与が支払われている。そのうえ、密かに多額の交通費が支給されていた。
 他の職員が残業代をカットされながら薄給で働いているのに、これではあまりにもバランスを欠く。
会田さんはA氏に見直しを掛け合ったところ、「あの娘は特別扱いだから問題ないのよ」と門前払いだったという。
 さらにA氏は、娘の内縁の夫を副理事長に据え、彼の持ち物である施設2か所と送迎車数台に対し、割高の賃貸料やリース料を支払っている。会田さんは「家族にうまくお金が回るシステムになっているんですよね」と憤る。
〔中略〕
 特定非営利活動法人には給付金が投入され、民間企業にはない税制上の優遇措置もある。そんな公共性の高い法人を、ここまで私物化してよいはずがない
 なお、市の障害福祉課に取材したところ、この施設について「通知義務のある行政処分を下すには至っていません。それ以上は守秘義務があるのでお答えできないのですが…」と回答を寄せてくれた。何らかの指導を実際に行ったことを暗に認めた、と受け取ってよいだろう。
■パワハラで退職。同時期に10人以上の職員も辞めた
 結局A氏はセクハラ被害者に謝罪もせず、A氏の夫は退職後も利用者と接点を持ち、性的虐待を続けているという。止めさせようとした会田さんは執拗なパワハラを受けて、退職に追い込まれてしまった。同時期に10人以上の職員も退職したそうだ。
 退職の際にも、複数の職員に対し「私のやり方が気に入らないのなら、辞めてもらっても構わないのよ」と言い、退職勧奨を認めながら、実際の離職票には「自己都合」と記入されていた。

 大量退職によって仕事が回らなくなっている施設では、自立支援の名の下にオムツを替えないなど十分なサービスが行えていない。指定基準を満たした職員配置もできていないはずだが、いまも給付金を得ながら運営を続けている。

記事を読んで仰天する人がいるかもしれないが、
「業界」の通弊として充分考えられる話である。

こうした話は仄聞はしていたが、この事例は聞きしに勝る酷さだ。
情報公開しなければ、こうした腐敗と癒着構造は決してなくならない。
質の劣る幹部を淘汰する仕組みを整えなければ、必ずや同種の問題が生じるであろう。


政務活動費で購入、大阪の美しすぎる市議はなぜあえてレクサスを選んだのか?(アサ芸プラス)
http://news.livedoor.com/article/detail/10416025/
”美しすぎる市議こと大阪市の伊藤良夏議員が、政務活動費をレクサスの購入に充てていたことで集中砲火を浴びている。すでに全額を自主的に返還しているものの、公費を流用していたことへの道義的責任を問う声は多い。さらには購入したのが高級車のレクサスだったことで、非難の声が高まっているのだ。
 ネットには「政務活動にレクサスなんて必要ない」といった声も多く、市民生活に密着した政治活動を行う市会議員が、高級車を買うことへの違和感を抱いている市民が多いようだ。
〔中略〕
 ただ、地方議員が清貧な仕事かといえば、決してそんなことはない。多くの地方議員は年間1000万円以上の報酬を得ており、大阪市議の年収は約1345万円と立派な高額所得者だ。しかも地方議会には会社経営者や医者といった地元の名士が多く、愛車もかつてはクラウンやセンチュリー、現在はセルシオというケースは当たり前。伊藤議員もまさにこのパターンに当てはまっているのだ。
 伊藤議員のプロフィールを見ると、東京でのモデル活動を辞めて帰阪し、社会福祉法人に勤務、そして社会福祉士の資格を取得となっている。これ自体は事実なのだが、実は大事なことがボカしてあるのだ。伊藤議員が務める社会福祉法人とは、叔母が理事長を、そして母親が理事を務める、いわば家業なのである。
 つまり彼女は家業を継ぐために戻ったわけで、地元の住吉区では伊藤議員が資産家の娘であることは広く知られているという。
それゆえ二十代で青年会議所に加入したのも納得だ。そして現在、伊藤議員は同法人が運営する老人ホームの理事長も務めており、まさに地元の名士なのである。
 ちなみに同法人の所有不動産は評価額で10億円を超え、事業規模は年間8億円ほど。このような福祉施設の理事長を務める35歳の女性が500万円のレクサスを買うことに、何の不思議があるのだろうか。むしろ1000万円の高級外車であってもおかしくないかもしれない。
 ただ伊藤議員の側に脇の甘さがあったこともまた、否めないだろう。そもそもレクサスの購入費に困るような経済状態ではないのだから、たとえ法的に問題のないリース契約だったとしても、それを政務活動費から支出したのはうかつだったのではないだろうか。
〔中略〕
 実家が裕福なのであれば、ここは全額を自腹にしておくべきだったろう。社会福祉法人では役所から受け取る介護保険料などが収入の柱のはず。市会議員としても老人ホーム理事長の立場であっても、伊藤議員には「李下に冠を正さず」という言葉を思い返してもらいたいものだ。 (白根麻子)”

話題になったこちらは、社会福祉法人の実態の一端を明らかにするものだ。
まさかとは思うが、伊藤議員のレクサス問題が
仮に「家業」の社会福祉法人の感覚を反映したものだとすると大問題だ。
誤解されないよう兎に角、情報公開だけはしっかりして欲しいものだ。
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