今週の週刊ダイヤモンドの「変われぬ東芝 変わる日立」特集は、
シュリンクする日本経済を象徴するような内容だった。
今の日立の状況に満足していたら話にもならないだろう。
「前よりもまし」程度で、WHにカネを吸い取られた東芝と比較すること自体おかしい。
(もしもの話だが、日立がWHを買っていたら立場は間違いなく逆転していたであろう)
ベンチマークにするとしたら日立よりもシーメンスの筈であり、
シーメンスを目標としそこから学ぼうとする姿勢が欠けているなら
日本の経済界は、経営層の保守退嬰や気力減退が進んだ証左と見るべきだろう。
個人的には巻頭の「米IT大手の設備投資が減速 半導体バブルに終焉の兆し」の方が遥かに重要で、
この見立てがもし本当なら日本企業の地力が試される局面が近いと言える。
(結果、「馬脚を現す」企業も続出するかもしれない)
エントリーのサブタイトルは26頁の「移民受け入れ制限は年金財政の圧迫に」より。
(オックスフォード・エコノミクス在日代表の長井繁人氏の執筆)
政治が混迷し始めているドイツだが移民を受け入れないと大打撃で、
年金支給年齢の更なる引き上げか7000億ユーロ(現レートで100兆円近い)の追加負担、
少子化対策をサボってきたドイツは、重大な問題が起きても移民を受け入れざるを得ないのだ。
ドイツよりも更に問題が深刻なのが日本で、
日本は世界最悪の速度で高齢化が進んでいるために
老年人口比率がドイツよりも10%以上も高く、しかも急速に悪化している。
(長井氏は言及していないが、日本の方が移民の学歴や付加価値が低いので二重に悪い)
ともに少子化対策の「劣等国」であるが、日本の方がより深刻な打撃となるのである。
◇ ◇ ◇ ◇
今週の東洋経済は自動車特集、自動運転に関してはまだまだ尚早であろう。
矢張り先週書いた通り「「激変」と言う程の激変はまだ先」だった。
ただ、日本電産の動きには注目しておきたい。
これだけの長い期間に渡って成長を続け、
M&Aも成功させてきた「達人」である。
常に感服させられる数少ない経営者の一人である。
(ファーストリテイリングより経営力・技術力とも数段上と思う)
半導体セクターに就いては、はっきり言ってダイヤモンド誌の方が正しいと思う。
直近でのチャートの屈曲も明確で、警戒が必要な局面ではないだろうか。
◇ ◇ ◇ ◇
エコノミストは癌治療特集、こちらもまだまだという印象。
注目点はオボジーボの優位性が失われつつあるというところか。
ポール・ローマー理論については、はっきりとこれは「既に古い理論」と言い切って良いのでは。
金融危機以降の成長率ではアメリカ経済の鈍化が鮮明になりつつあり、
経済パフォーマンスでアメリカがスウェーデンに恒常的に劣るようになっている。
「研究開発重視」の政策がアップルやアマゾンのように
「株主だけは大儲けで雇用は大して増えず、所得も伸び悩む」企業を増やした。
育児家事を公的部門に集約化して就労を強要し生産性を向上させるという
「ローテク」のスウェーデン型の政策の方が勝つ時代になっているのだ。
(だから正反対の日本の経済成長率が低落するのは必然)
◇ ◇ ◇ ◇
次回は久々にエコノミストへの注目、珍しい「私鉄」特集だ!
▽ 古都同士でウィーンと京都の観光戦略を比較しているのもかなり面白そう
▽ ダイヤモンドはメインも良さそうだが「行動遺伝学が教える 学力、性格と「遺伝」」が重要
▽ 白川日銀前総裁へのインタビューだ!(散々罵声を浴びせた輩の悪行も掘り返してやりたい)
メイン特集は見ないと何とも言えない。
シュリンクする日本経済を象徴するような内容だった。
今の日立の状況に満足していたら話にもならないだろう。
「前よりもまし」程度で、WHにカネを吸い取られた東芝と比較すること自体おかしい。
(もしもの話だが、日立がWHを買っていたら立場は間違いなく逆転していたであろう)
ベンチマークにするとしたら日立よりもシーメンスの筈であり、
シーメンスを目標としそこから学ぼうとする姿勢が欠けているなら
日本の経済界は、経営層の保守退嬰や気力減退が進んだ証左と見るべきだろう。
個人的には巻頭の「米IT大手の設備投資が減速 半導体バブルに終焉の兆し」の方が遥かに重要で、
この見立てがもし本当なら日本企業の地力が試される局面が近いと言える。
(結果、「馬脚を現す」企業も続出するかもしれない)
『週刊ダイヤモンド』2018年 11/10号 (変われぬ東芝 変わる日立) | |
エントリーのサブタイトルは26頁の「移民受け入れ制限は年金財政の圧迫に」より。
(オックスフォード・エコノミクス在日代表の長井繁人氏の執筆)
政治が混迷し始めているドイツだが移民を受け入れないと大打撃で、
年金支給年齢の更なる引き上げか7000億ユーロ(現レートで100兆円近い)の追加負担、
少子化対策をサボってきたドイツは、重大な問題が起きても移民を受け入れざるを得ないのだ。
ドイツよりも更に問題が深刻なのが日本で、
日本は世界最悪の速度で高齢化が進んでいるために
老年人口比率がドイツよりも10%以上も高く、しかも急速に悪化している。
(長井氏は言及していないが、日本の方が移民の学歴や付加価値が低いので二重に悪い)
ともに少子化対策の「劣等国」であるが、日本の方がより深刻な打撃となるのである。
◇ ◇ ◇ ◇
今週の東洋経済は自動車特集、自動運転に関してはまだまだ尚早であろう。
矢張り先週書いた通り「「激変」と言う程の激変はまだ先」だった。
ただ、日本電産の動きには注目しておきたい。
これだけの長い期間に渡って成長を続け、
M&Aも成功させてきた「達人」である。
常に感服させられる数少ない経営者の一人である。
(ファーストリテイリングより経営力・技術力とも数段上と思う)
『週刊東洋経済』2018年11/10号 | |
半導体セクターに就いては、はっきり言ってダイヤモンド誌の方が正しいと思う。
直近でのチャートの屈曲も明確で、警戒が必要な局面ではないだろうか。
◇ ◇ ◇ ◇
エコノミストは癌治療特集、こちらもまだまだという印象。
注目点はオボジーボの優位性が失われつつあるというところか。
『週刊エコノミスト』2018年11月13日号 | |
ポール・ローマー理論については、はっきりとこれは「既に古い理論」と言い切って良いのでは。
金融危機以降の成長率ではアメリカ経済の鈍化が鮮明になりつつあり、
経済パフォーマンスでアメリカがスウェーデンに恒常的に劣るようになっている。
「研究開発重視」の政策がアップルやアマゾンのように
「株主だけは大儲けで雇用は大して増えず、所得も伸び悩む」企業を増やした。
育児家事を公的部門に集約化して就労を強要し生産性を向上させるという
「ローテク」のスウェーデン型の政策の方が勝つ時代になっているのだ。
(だから正反対の日本の経済成長率が低落するのは必然)
◇ ◇ ◇ ◇
次回は久々にエコノミストへの注目、珍しい「私鉄」特集だ!
▽ 古都同士でウィーンと京都の観光戦略を比較しているのもかなり面白そう
『週刊エコノミスト』2018年11月20日号 | |
▽ ダイヤモンドはメインも良さそうだが「行動遺伝学が教える 学力、性格と「遺伝」」が重要
『週刊ダイヤモンド』2018年 11/17号 (外食(新)格付け) | |
▽ 白川日銀前総裁へのインタビューだ!(散々罵声を浴びせた輩の悪行も掘り返してやりたい)
『週刊東洋経済』2018年11/17号 | |
メイン特集は見ないと何とも言えない。