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『週刊東洋経済』11月27日号 - 風力開発競争で完全に取り残された日本、利権癒着の政策で因果応報

2021-11-26 | 『週刊 東洋経済』より
東洋経済のエネルギー特集は功罪半ばだろう。
「風力開発(+原子力の送電網開放)とコージェネの遅れが元凶だが、どうも本質を衝いてない」
「既得権擁護になっていないかが懸念される。。」

と懸念していた通りで処方箋はまるで駄目だが現状分析は良い。
(全固体電池は現状、期待薄らしいが。。)

特集自体は日本のエネルギー政策の保守退嬰を証明するものだ。
原子力と石炭火力で既得権勢力を保護してきた自民党政権に天罰が下った、
後世の産業史研究者によってそのような結論に至るのであろう。

44頁「脱炭素で突き上げられる日本」の分析が的確で、
COP26では途上国と同じような脱石炭に後ろ向きな姿勢、
その原因として原発事故、太陽光開発の失敗、風力開発の遅れが挙げられている。

欧州や中国で急拡大する風力発電の現状も図表になっており、
適地がないとか不安定とか愚にもつかない言いがかりをつけて
風力開発をサボタージュした利権擁護政策の害悪は明白である。

橘川氏は「亡国のミックス」と批判しているらしいが、
原発の近傍の送電線を活用して風力開発を進めることすらせず、
無駄だらけのメガソーラーを規制しようともせず、
バイオマスでは買取をコージェネに限定せず熱を垂れ流し、
ガスコージェネ促進策の提言を怠った研究者にも重大な責任があろう。

『週刊東洋経済』2021/11/27号


79頁には日本の経済成長率に関するベイズ分析が出ており、
矢張り腐敗したアベノミクスと利権癒着のエネルギー政策で
日本の潜在成長率は0.2%前後という悲惨な数値になっている。
自民・公明に投票すること自体が経済衰退に直結しているのだ!

    ◇     ◇     ◇     ◇

ダイヤモンドは中々いい取材だと思う。
「これも少子化の一端なのだろう、ダイヤモンド獣医特集」
と皮肉に予想したが、鋭い内容は評価したい。

特に「うちの子」しか眼中にないペット愛好家は
「ペットショップの裏側 ペット流通の醜い内幕」
「「売れる子をなるべく多く」が病気を作る」

を熟読すべきであろう。(仄聞していた暗鬱な話より現実はより深刻だった。。)

現代日本はペット業界や飼い主への規制が緩過ぎるのである。
日本社会そのものがペット虐待社会であると言っても過言ではない。
飼い主やペット取引への課税は不可避であるし、
見た目の可愛さにカネを払ってペットを売買する悪習は
欧米諸国のように厳しく規制し、刑事罰も厳格化すべきである。

『週刊ダイヤモンド』21年11/27号


サブ特集の「新・グリーンエネルギー戦争」はいまひとつ。
もっと日本や日本企業の窮地を直視して採るべき政策を提言しないと。

    ◇     ◇     ◇     ◇

エコノミストのメイン特集は結果論としては予言的だったが、
暴落の理由としてはかなり違ったので偶然かもしれない。

それより32頁「四国電の太陽光発電に潜在力」を勧めたい。
四国電力エリアの太陽光発電が平均で年29%という驚異的な伸び、
九州と同じ様に電気を捨てる事態に陥っていると言う。

これは政策の政策ではなく典型的な失敗であり、
九州と四国では自家消費できない太陽光発電は排除、
小形EVの実証実験を急いで割高な家庭用電力の代替とすべきだ。

『週刊エコノミスト』2021年 11/30号【特集:危ない! 米株高】


市岡繁男氏のコラムは石油ショック時のCPIとゴールドの推移を紹介。
当時と似たようなスタグフレーションに陥りつつある日本にとっては
リスクシナリオとして非常に重要であろう。

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週の注目は東洋経済、日本の経済界の沈滞を反映した小粒の内容。。

▽ 「日本の上場企業は昭和20年代に設立された会社が最多」だから、人口動態の影響歴然

『週刊東洋経済』2021/12/4号 (発掘! 未来の成長企業)


▽ 思い切り逆指標になりそうなダイヤモンド、サブのEC特集を見たい

『週刊ダイヤモンド』2021年 12/4号 (強い株)


▽ エコノミストらしい、渋い特集

『週刊エコノミスト』2021年 12/7号【特集:東証再編サバイバル】

COP26レポート「日本に迫る産業衰退リスク」が最重要だろう。
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