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『週刊東洋経済』11月6日号 - 企業は儲けても日本人全体が貧しくなった、腐敗したアベノミクスの末路

2021-11-05 | 『週刊 東洋経済』より
東洋経済の「ニッポン再生計画」は功罪半ばである。
82頁がよく纏まっており、アベノミクスが日本を貧しくしたこと、
安倍の再登板によりTFP(全要素生産性)が無惨に下落し
2011年の東日本大震災の時をも下回った
事実を示したのは良い。

しかし深刻なのは、処方箋が完璧に間違っていることである。
先週、「東洋経済の集めてくる「識者」こそ日本経済低迷の一因であることが多い」と書いた通り。
企業経営者が「国内では成長が期待できない」と語っているのは
正しくは「少子化に加え高齢者三経費の負担で経済が沈滞している」なのだ。

竹中平蔵は相変わらず空元気の論ばかり、
新書大賞か何か取ったらしいマルクス主義の論客も
余りにも語る内容が空疎なので驚いた。。

日本は元々アメリカのように内需比率の高い国で、
この特集にあるように時間当たり生産性上昇で独に勝るのだから、
働いていない層が経済の足を引っぱっているのは明白である。
(つまり高齢層から現役世代に所得移転し、女性がより働けば経済改善する)
問題は人口減少ではない。高齢化と過大な高齢者三経費なのである。
その証拠に、この二点で日本が先進各国より大きく劣っているではないか!

『週刊東洋経済』2021/11/6号 (「安売り日本」はもう限界 ニッポン再生計画)


小粒の材料としては、79頁にある小田原の再生可能エネ利用、
太陽光+EVシェアリングは非常に良い。ただ如何せん規模が限定的。。

    ◇     ◇     ◇     ◇

ダイヤモンドの脱炭素特集は、鉄鋼など重厚長大企業の苦境を予見した、
ほぼ想定通りの内容と言えるだろう。やや失望というところ。
矢張り「そもそも自民党の政策が劣悪なのが問題」である点も指摘しないと。。

はっきり言って環境分野での日本企業の大敗を特集した
今週の日経BPの方が遥かに質が高い


『週刊ダイヤモンド』2021年 11/6号 (脱炭素地獄 生き残り上場421社ランキング)


サブ特集の「ITベンダー&人材 大淘汰」はかなり良い。
外部からはこうした閉塞的な内情は分かり難い。
どうやら当分、アクセンチュアの独り勝ちが続きそうだが。。

    ◇     ◇     ◇     ◇

エコノミストの「技術革命」特集は暗澹たる内容だ。
恒例の「技術で勝って経営で負ける」が目に見えている。

宇宙太陽光発電のような大型技術開発が実用化に近いなら良いのだが、
潜在力の大きいマグネシウム蓄電池も明らかにまだ実用まで遠い。
実用化が近いペロブスカイトも量子暗号も成長余地が小さい。

珍しく日本発でグローバルスタンダードになれそうなのは
ベンチャー企業GVEによるワクチンパスポートのアーキテクチャー。
政府や大企業がこれを擁護し支援する態勢をとることが急務だが
財界と癒着している自民党も霞が関もこの手の動きは下手なのである。

『週刊エコノミスト』2021年 11/9号【特集:これから来る! 脱炭素 DX技術革命】


マーケット関連では矢張り市岡繁男氏のコラムが良い。
原油価格が高騰しても米国シェールのリグの増加は鈍く、
これではまだまだ高止まりが続きそうだ。。

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週の注目は東洋経済、派手さは全くないが実用性は高そう。

▽ 「モンスター住民」、いるんだろうな矢張り。。

『週刊東洋経済』2021年11/13号 (マンション管理 異常事態)


▽ ダイヤモンドは財閥系の特集多いが、売れるということなのか?

『週刊ダイヤモンド』21年11/13号 (三井・住友 名門財閥の野望)


▽ 質としてはエコノミストが最優秀だろう、いま一番の焦点は中国だ!

『週刊エコノミスト』2021年 11/16号【特集:世界を襲う 中国3大危機】

レポート「風なき総選挙」も鋭い内容と見た。
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