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流出雑記 

2015/8/10

2015年08月11日 | Weblog

住職が袈裟姿でスクーターに乗って走っていく致し方ない真夏の感じがなんか好き。

ツイッター見ていて140文字内の短さにも何かを言おうとするとき、その人の望む立ち位置みたいなものが見えるなと思うことがある。例えば何気ないようなひと言をつぶやくにもその投稿動機にどっか優越自慢エッセンスの混ざる言葉選びや言葉振舞いをしてしまってるなこの人そうなんだみたいなそんなところに主に目がいくような人間は意地が悪いのだろう。流し見るのがツイッターなのにでも気軽に見えて侮れないくらい人となりが漏れてる。言葉の質や重量、頻度を観察するのはおもしろい。

昨夜京都に帰省してきた黒ちゃんと末森サンが東京バナナを片手にうちにやってきた。

夕飯のコンセプトはスパニッシュ。スペイン料理屋で出てくるタパスの盛合せを思い出し、そんな雰囲気を醸す惣菜数品とスパニッシュオムレツ。にんにくとオリーブオイルを惜しみなく使ってマッシュルームのアヒージョ。お客さんだからそこに厚切りベーコンも加わる。そしてこれに必須のバゲット。メインは海老、鶏共演によるパエリア。パエリア鍋がなくても取っ手のとれるフライパンにパプリカの赤やズッキーニの緑を盛り込めばサマになる。パエリアというと凝った料理の響きなのに調理過程はつまるところ派手な炊き込みご飯。もう腕前というよりにんにくとオリーブオイルと塩さえあったらたいていのものはおいしくなってしまうなと思う。

お酒は運良く実家のお中元のお下がりビールがふんだんにあり、スペインのワインとシェリー酒が加わってアルコールは十分。
うちにきたふたりとは4年前に山下残さんの『庭みたいなもの』で共演した。久々にKAATでやった上演の記録を再生し爆笑しながら見た。黒ちゃんはテレビ番組制作会社のディレクターに出世していた。ディレクターの雰囲気をあらわすために黒ちゃんは両肩から何かを垂らして結ぶ身振りをした。何かと思ったらそれはカーディガンの袖を意味していた。末森サンは独自のペースで生きていて、相変わらず懇切丁寧というか、ひとつの話題を伝えるのに動員する言葉数が異様に多い独特の語り口で話す。

ふたりは終電をすっかり逃して歩いて帰っていったけれど、どこかでタクシーを拾っただろう。

日中は相変わらず暑いのだけれど、ここ数日のうちに夜はぐっと涼しくなった。移ろう。この夏から秋へ季節が移行してゆくのを肌身で受けとるこの感じは何度巡って来てもどう抗ってもセンチメンタルを誘発し、別に抗う必要もないから夜は窓を全開にしてタオルケットにセンチメンタル重ねて眠る勢いで移ろいに浸って眠ればいい。

酒宴の客が帰ったあとしーんとなった家で大量の皿やグラスや空き瓶を洗って、空き缶を潰す深夜の台所にいる時間は悪くない。白ワインよりシェリー酒が好きみたい。


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