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流出雑記 

2015/8/25

2015年08月25日 | Weblog

朝から日常の輪郭を歪める勢いの風と音。
2階の東と西の窓を網戸にしておくと突風が部屋の中を、階段を駆け下り1階の空気まで動かす。台風の日は不謹慎でもわくわくするのは、まるで日々に沈殿した憂いものまで暴力的に吹き飛ばす力を持った非日常の到来、そんな目を持ったものに見られている気配を感じるからだろうか。台風の目はくっきりしているほどたしか強かったんじゃなかったか。目力が強いほど。はるか上空の目は目視できる生き物の生活風景、そのいとなみに配慮の余地無く能力のすべてを発散させなければ終われない。荒れ狂うさまを見ていると、水や風には生き物に丁度いい配慮なんてものは当然ない。気象に感情はないだろうけれど、暴風雨が怒りと受け止められる感受性の人間らしさ。

固められた護岸を大人しく流れる川の水や、蛇口から意のままに出てくる水や、エアコンやドライヤーのスイッチひとつで便利な使い慣れた風のそもそもの状態というか、自然のなかでの振舞いは全然手に負えないんだそう言えばと思いながら夕方、仕事帰りの自転車が向かい風でほんとうに進まない。何が鳴っているのかわからないけれど怖いような音と共に風が塊でぶつかってくる。高い木をしならせ、自転車や看板やプラスチックの鉢植え、軒先に置かれたウエルカムと書いた人形などを倒し、どこから飛んで来たのか不思議になるくらいの太い枝が道路にごろりと転がっていたりする。音にするとビュュゴゴウーンという感じだけれど、この擬音語じゃ怖さが全然伝わらない。そんな風ニモ負ケずスーパーに寄って合い挽き肉と玉ねぎを買い「今日の夕飯はハンバーグ」の日常で抵抗してみる。咲いているばらを全部切って屋内に引き入れたら豪華な感じになった。



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