ゴールデンバット
卵の買い置きも尽きて
孵化の望みをなくしたら
手持ち無沙汰のさみしさに
あてどなく毛糸を編んで夜を明かす
長々と伸びたそれはきっと
マフラと呼ばれるだろうが
そんなつもりもなくただただ編み込んだ
延々続く時間の痕跡
ろうそく明かりの灯る部屋
充血した目に映る室内は煤けて
トマトジュースで数百年
生き延びてきたけれど
それももう終わり
次の朝が来たら朝日を浴びて
灰になる決心をした
最後のゴールデンバットに火を点けて
肺を煙に巻くけれど
一時も忘れたことがない
ついぞ味わうことのなかった貴方の血の味
そればかりが相変わらず鮮明に
輝ける悔いとして胸に
刺さっている
卵の買い置きも尽きて
孵化の望みをなくしたら
手持ち無沙汰のさみしさに
あてどなく毛糸を編んで夜を明かす
長々と伸びたそれはきっと
マフラと呼ばれるだろうが
そんなつもりもなくただただ編み込んだ
延々続く時間の痕跡
ろうそく明かりの灯る部屋
充血した目に映る室内は煤けて
トマトジュースで数百年
生き延びてきたけれど
それももう終わり
次の朝が来たら朝日を浴びて
灰になる決心をした
最後のゴールデンバットに火を点けて
肺を煙に巻くけれど
一時も忘れたことがない
ついぞ味わうことのなかった貴方の血の味
そればかりが相変わらず鮮明に
輝ける悔いとして胸に
刺さっている