2022 備忘録

思いついたことを書き残す。

時間と建築

2013年10月24日 | ひとりごと
「景観建築研究機構」というNPOの設立に関わり、現在は総務事務や調査活動などに関わっている。
JIA日本建築家協会群馬地域会で以前保存問題大会開催をした。
この経験からJIA群馬の有志が集まり、地域の景観に係る、過去から現代における建築物、町並みの保存利活用等に貢献すべく、NPOを設立した。
次第に活動も本格化し、現在は大規模な木造建築の保存修復調査の関与するまでになった。



古い木造建築をじっくり観察する機会も増えた。
古い日本建築はほとんど無塗装で風雪に耐えてきた。(社寺や土蔵のように例外はある。)
風化した木材は力仕事で節が浮き出た老父のような風格がある。



事務所の本来の仕事は新築の住宅等である。
建てる方からの要望にはメンテ不要の・・・・とのことも多い。

量販メーカーなどはあとのクレーム対策から木目のシートを張って、ウッデーだの自然だのをキャッチコピーにしているところもある。
これらは経年劣化は有っても経年変化は無い。
木目シートの下はMDFのように合成木材であることも多い。
商品であるからしかたがないのか。

自動車のインスツルメントパネルもしかりである。木目調と言ってはばからない。
本物のチークにコノリーのレザーの組み合わせなどどうだろう。
○○風のものばかり。偽物で満足する感性とはいかに。



私は粗末な材料でも何とか本物を使いたいと力んできたかもしれない。
木材という素材はやっかいなもので同じ材種でも製材の仕方で全く表情、性能が変わってしまう。
産地によっても違う。
また乾燥により変形やひび割れも起こる。
合成樹脂に慣れた目から見ればなんと不完全な素材と目に映るかもしれない。



エンジニアリングウッドという言葉がある。
人工乾燥材もその分野に入るが100度C以上の高温で樹液ごと変性させてしまう加工が一般的になってきた。
確かに強度も変形率も舗装されているが木材としての良さはどう考えよう。



群馬は関東の片田舎である。
おかげ様で古い建築に出会う機会がまだまだある。
これらとのふれあいの中で時間とともに深化していく木造建築の良さを楽しみたいし、多くの方々にもっと知っていただきたいと思う。





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