年度末に差し掛かりJIAの行事も重なる。登録建築家の更新業務も一段落。ただし後味悪さも残る。建築家の定義のあいまいさである。自分が開業した時に考えた立ち位置は一義的には依頼者イコール建築主のために働くこと。そして国土の景観を守るデザインコードで仕事をすることだった。他の設計事務所や施工会社の下請けという道もあったが、事実初期に手を染めたこともあるが経営が立ち行かなる覚悟で断ち切り、今日に至ることができた。狭い地域社会では利益相反をきちんと考え行動することがことさら大事だ。建築家は心の持ち方のことだとJIAの先達が教えている。つまらないやせ我慢とも思えるがここを踏み外したらいくら目先のセンスが良かったりしても単なる建築デザイナーに過ぎない。登録建築家の申請書類に目を通しながらその感を強くした。
斎藤孝彦さんとの勉強会で斎藤さんは建築家の大事な特質は「自由」と「独立」とおっしゃっていた。登録建築家のことが思い起こされた。このことが理解できない立場の人まで登録建築家になる必要はあるまい。
ご高齢でご病気も抱えられながら淡々と体調のことなど理詰めで語られるリテラシーに感服する。
明日は住宅部会賞の公開選考会。出展数が少なくはらはらしたが締め切り間際にどっと増え一安心。今年も選考委員は住宅部会もメンバーで来年は選考委員長を仰せつかる。なんとも力不足でありまた仲間内の審査というのも限界があり次年度は選考委員の構成を拡大することを考えたいと思う。