2022 備忘録

思いついたことを書き残す。

居酒屋のお品書きを眺めるのが好きだったという。

2015年10月06日 | 訃報
居酒屋「きさく」の飲み友達であり、ご自宅設計依頼の顧客でもあった中島敏之さんが10月3日、肺腺癌で亡くなった。享年62歳。自分より前橋一中で一学年下で当時のこともおぼろげながら思い出すことが出来る。

いつのころだったろう。居酒屋「きさく」で再会した。俳句の同人誌仲間とよく集まっていた。この店の忘年会に同席したことも。そんな縁もありご自宅の設計の仕事の依頼を受けた。
当時は前橋インターチェンジの近くのアパートにお住まいでよく打ち合わせに通った。幼かったお子さんもそれぞれ高校生、」中学生に立派に成長している。
一昨年、退職を期に未完成だったお住まいの外構工事のため訪問。すっかり落ち着いた良いお住まいになっていた。
そのときはどうして今日の日を考えることが出来たであろう。

俳句はわずか17文字の極小の文字数ながら、心象風景を良く映し出す。
まったくの門外漢ではあるがこの俳句を批評するということは語彙一つ一つの深い知識と洞察力が必要であることはわかる。
教職のかたわらライフワークとしてずっと俳句と向かい合ってきたとのこと。
ご自宅設計の際に異様に多い蔵書に驚いたものだが、まさに人生そのものであったのだと改めて思った。

今日の葬儀では以前の勤め先の学校長、俳人の水野真由美、友人の佐藤進の三人が弔辞を読み上げた。
早い旅立ちを惜しむと共に共に過ごした時間の思い出を率直に述べ、見送りの言葉とされた。
奥様の挨拶もいつもの奥様であり、それが一層喪失感の深さを共感させた。