2022 備忘録

思いついたことを書き残す。

1月17日 兵庫県南部地震を振り返る。

2011年01月17日 | ひとりごと

兵庫県南部地震は最近起きた大震災として最新の技術により多くの貴重な地震波をはじめデータを得ることが出来た。
Eディフェンスではこのとき採集した地震波形を実物振動台に入力し、さらに安全な建築設計の研究がすすめられている。

震災後2週間ほどたった後ではあるがJIAの災害復旧支援活動に参加した。
まだ東海道本線は住吉までしか開通しておらず途中は損傷を受けた建築がそのままの状態で立ち並んでいた。
町の第一印象はまず静かなこと。解体工事の削岩機の音以外は生活雑音が一切聞こえないのだ。
さらに消毒薬の臭いが鼻を突く。夏季であったならばとぞっとする。
電柱が地面まで垂れ下がり、あちこちで水道が噴出している。

現地で五感に受ける印象はTVの前では想像もつかないことだ。
インターネットという言葉が一般化したのもこのころからだ。私はまだMSDOSマシンを使っていてニフティのPC通信にあがってくる現地の情報を傍受していたが避難所に過不足なく物資が届けられないで対応に混乱をきたしている様が痛々しかった。

関東では東海地震、または首都直下型地震の危険が指摘されながらやはり実体験が無いので時間がたつに従って警戒心が薄れてきてはいないだろうか。
中越、中越沖の新潟県での震災復旧支援活動にも参加した。体験した方のみが知る恐怖感は直接接してみないと伝わらないものだ。

最近オール電化住宅というのがもてはやされている。
電気は備蓄しにくいエネルギーだ。
都市インフラに頼り切った生活がいかにもろいものかを当時神戸の街で目の当たりにした。
電力といえどもふっ今日には相当の時間がかかる。
大出力の柏崎原発が地震で大損傷を受け、復旧に相当の時間がかかっている。
電力の40%近くを原発が占める現在、電力は不安定なエネルギーであることには変わりがない。
火力は輸入に頼り、群馬県内の水力発電所の様に多くの発電所は原発の夜間余剰電力で揚水し昼間発電している。

電化という言葉は文明の進歩と同義語であった。
しかし地球上の一生物にすぎない人類にとって、過度に依存することは危機管理の観点からは一考を要することにである。