晩秋の 櫨蠟hazerou 揺れぬ 亡き人と
馬糞 Bafun
縁側に、熟し柿を置いた。
すると、ホオジロか・・・と思ったが、よく見ると、
ホオグロだった。
頬に黒い点があるからホオグロだが、要するにすずめ
だった。
そうか、雀はホオグロだったんだ・・・。
父が息を引き取って一ヶ月、純粋櫨蠟のキャンドルに灯
を点して意気消沈の母を励ました。
小さな蝋燭だが、1500円もする手作りの櫨蠟のキャン
ドルである。
父が傍にいれば、せめて炎なりとも揺らせはしまいか
というかすかな願いもあった。
父の介護は、この三ヶ月は、空しさと不安の日々であ
ったはずが、それでも唯一の生きがいであったと気づい
たというのだ。
今は何も手につかないという母の悲しみを、過ぎれば
執着になるよ、と慰めたが、ずっと二人で苦労を共にし
てきた父と母であった。
来年は、ダイアモンド婚を家族で祝おうと楽しみにし
てきた二人でもあった。
昭和五年生まれの母にとっても、人生最大の試練が訪
れている。
がんばれ、昭和五年世代!
渡部昇一先生も、竹村健一先生も、日下公人先生も、
上坂冬子先生も、岡崎久彦先生も昭和5年世代である。
名門昭和5年世代の誇りを持って、快活な人生を締めく
くって欲しいと願う。
役割なくしては、人は生きてゆけないものである。
【長崎のダメ旅館、日昇館グループ『梅松閣』に思うこと】
長崎の旅館、ホテルに泊まるということはほとんどな
かったが、最近、利用する機会が度重なった。
大半のホテルが経営に行き詰まって経営者が交替して
いるという。
客が少なくなったのではなく、宿泊のニーズの変化に
対応しなかった結果である。
不景気なこともあって、団体の利用が少なくなったの
だろう。
あぶく銭で飲み食いしていた公務員の利用が減ったの
であろう。
宴会のニーズが減ったのであろう。
駅近くの便利な場所の新しいビジネスホテルは、一泊
5000円程度、サービスも簡易、食事も申し訳程度の朝食、
それでも、清潔だし、明るいし、コンビニエンスなホテ
ルとして、十分ににぎわっていた。
ところが、次には満室で泊まれなかった。
そんな時、かつての観光ホテル、日昇館ホテルが空い
ていた。
ここは、かつては夜景が人気の観光ホテルだったが、
経営破綻して、なんとか営業を続けていたものの、従業
員の士気もなく、食事もサービスも手入れも最低だった。
そこが買収されて、新装開店していたのである。
一泊4000円、部屋は広く、夜景は最高、大満足であっ
た。
この値段なら、気晴らしにちょくちょく利用できる。
ところが、それが次第に人気になっているのか、連休
には満室だという。
でも、隣の旅館なら空いていますという。
同じグループで、『日昇館ホテル』の上に建つ、旅館
「梅松閣」である。
しかし、値段は、一泊食事つきで一人、1万7千円。
安くない!
卓袱料理か、会席料理が部屋食で取れるという。
ものは試しということで、投宿した。
食事がよければ、日昇館は復活するかもしれない、と
も思った。
広い和室と調度品、長崎港を一望する展望は、納得の
贅沢だった。
ところが、肝腎要の会席料理というのがひどかった。
えっ、これが一万七千円とる旅館の会席料理か、とあ
きれるほどに給食のようで、貧弱だった。
これが、長崎の刺身か?
これで、満足感は台無しになった。
フロントの社員らしい従業員も無礼で、サービス精神
に欠けている。
結果、最低の旅館という評価になった。
せいぜい、八千円が相場の旅館だろう。
あとでネットで調べると、そういう値段で売り出して
いるではないか!
やはり、倒産するホテル、旅館というのは、経営者が
代わってもだめなものはだめということらしい。
サービスとは、気配りである。
旅館は、一日であっても、癒しをもとめる生活空間で
ある。
高級そうな部屋のしつらえであっても、ベランダは、
公団のようなコンクリートのままだし、廊下はタバコの
煙が充満して息苦しかった。
カウンターの男の対応はもっと不愉快だった。
結局は、観光旅館は人でなりたっているのだ。
たいした料理が出せないなら、料金を下げて、高齢者
が平日の気晴らしに泊まれるような旅館に仕立てたほう
がよい。
お茶の楽しみ、音楽の楽しみ、花の楽しみを企画して、
高齢者の楽しみの場を提供することもニーズである。
あるいは、気心の知れた老人たちが集まる老人たちの
住居となってもよいだろう。
人材なきホテル、旅館は、やめたほうがよい。
どうも、長崎の観光産業には驕りがあるようだ。
観光産業の命ともいうべき、サービス精神が欠けてい
る。
経営破たんしている日本航空も同様だ。
日本航空は、国費で援助するべきではない。
従業員や労組がそのままで、体質改善などできるはず
がないではないか。
もっとも、労組政権というべき鳩山政権では国費をど
ぶに捨てることになるのだろう。
しかし、また、倒産するだろう。
日本航空は、清算したほうがよいのだ。
日本の政治もまた、同類なのかもしれない。
サービス精神、思いやり、気配り、誠実、こうしたこ
とを忘れたところ
に、仕事のやりがいも成果もないと知るべきであろう。
立憲女王国・神聖九州やまとの国
梅士 Baishi